静心なくお金飛ぶらむ

オタクの現場備忘録。内容と語彙がない。

GANKUTSU-O 2024.3.1

3/1 『GANKUTSU-O -復讐の夜明け-』昼公演・夜公演@ナゴヤ

 

 

 初日に観劇して以来現地に足を運ぶことができずにいた新作ナゴヤカブキ『GANKUTSU-O』。今月は推しのご出演が金曜日に偏っていたため、久々の平日公演にやってきました。

 

~配役~

エドモン・ダンテス:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)

ファリア司祭/ファラオン号船員:名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエさん」)

ヴィルフォール:名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)

ダングラール:名古屋参十郎さん(以下「ジューローさん」)

ヴァンパ/モレル/ナポレオン:名古屋虎之助さん(以下「トラスケさん」)

ヤコポ/ファラオン号船員/ルイ十八世/部下:名古屋参史郎さん(以下「シロウさん」)

典獄/講談師:福田勝明さん(以下「福ちゃんさん」)

 

 この日は今月ゲストでたくさんご出演のある福ちゃんさんの初日で、福ちゃんさんがどの役を演じられるのかどきどきで迎えた昼公演のちょい見せ。講談師で出て来られた典獄のお衣装が福ちゃんさんのサイズに合わせた特別仕様になっていて、私が(このおたく、福ちゃんさんのファンです)大喜びでした! 

 典獄は賄賂を受け取って罪がないと分かっているエドモンを収監する小悪党ですが、福ちゃんさんのコミカルさがとてもよく効いていて面白い役どころになっていました。典獄はエドモンが出される監獄の食事を「不味い」と称する場面がありますが、福ちゃんさんは食事を不味いと言うことに抵抗があるご様子だったのが面白く、笑いすぎて息ができなくなるところでした。

 典獄が二幕でナポレオンの百日天下について説明してくださるところ、昼公演は少し危なげだったのが夜公演ではばしっと決まっていたのもさすがの修正力だなと思いました!

 余談。サイン列で福ちゃんさんとお話した際に六月ぶりだとお伝えしたのですが、実は年末の武将サミットでお姿を拝見していたことを完全に忘却していました。何なら武将サミットの時も一度司会でのご出演をSNSで見て驚いたはずなのに、福ちゃんさんなら大丈夫だという安心と信頼が大きすぎて完全に忘却し、ご登場の時に初めて知ったような反応をしてフォロワーに「告知見てたよね?」と突っ込まれました。不思議。

 

 また、この日新役だったのがシロウさん。あまりにもナチュラルに新役だったので一瞬気が付くのが遅れるほどでした。

 ヤコポといえばダングラールからの報酬の取り分コント(コント?)ですが、シロウさんはヴァンパに6:4を提示されても7:3に拘っていたのが秀逸でした。捌け際にも「7:3~」と歌うように仰っていてとても可愛かったです。爵位がお金で買えることは知っていても数字には弱いのかな? と思いました。

 

 ヴァンパについてはだいたい初日に語りつくしてしまったのですが、初日は昼夜共に下手に入っていたのが今回上手にも入ったことで視野が変わり、ナポレオンが見やすくなって良かったです。ナポレオンが事切れる直前に虚空を掴むところがとても美しくて、あの瞬間私もナポレオンの魔力に取りつかれたように感じました。

 

 ダングラールは前回も拝見したジューローさんだったのですが、少し間が空いたためキャラクタが変わっており、以前よりもとてもチャラくなっていて衝撃的でした。以前ジューローさんのピアスが見たいとご本人に力説したことがあるおたくなので、ダングラールがノンホールとはいえ二連ピアスをしていたことでガチャが回りました。欲を言えばピアスありの状態で初日に拝見した神経質さと陰鬱さがあるダングラールが観たい……! どうにかなりませんか、ジューローさん……!

 あとこの日直前に岩波文庫の『モンテ・クリスト伯』を読み始めて気が付いたのですが、原作では船の会計士でしかないダングラールがナゴヤ座では一等航海士になっているのですね。ここの違い、恨み・妬みへの移行がわかりやすくてありだなと思いました。

 

 ヴィルフォール法曹界の人間であるにも関わらず、回を重ねるごとに「悪の華」という言葉が脳裏に浮かびます。ボードレールには詳しくないのですが、ボードレールもフランス人なので偶然が面白いなと思いました。

 劇中何度もお召替えをするヴィルフォールですが、手袋も何度も変えているのが印象的。剣をとる時は黒の革手袋ですが、エドモンやナポレオンの元を訪ねる際は外套やハットに加えて白手袋になるのがとても好きです。黒手袋は汚れが目立たないし、白手袋は綺麗であることがアピールできるので、ヴィルフォールの二面性にぴったりだなと思いました。

 

 ファリア司祭はこの日もダエさん。ファリア司祭がエドモンの独房を訪れた時の典獄から身を隠す場面が大好きなのですが、この日の典獄が福ちゃんさんだったために本当にしんどそうなお声を発しているのがとても面白かったです。典獄に座られる直前に段ボールを抜け出してしまうのも大胆不敵で大笑いしました。

 

 この日のエドモンで一番大変そうだったのは貴族に近付くための修行の一環で行われたポーカーフェイス一発ギャグ。流行った一発ギャグはあまり知らないので何が正解なのかわからないものもあったのですが、絶妙に古い感覚があって、イフ島に囚われているからかな……と思いました(ファリア司祭はインターネットで調べたそうですが)。あとここ、ファリア司祭がエドモンの独房の石たちの名前を把握していて良かったです。

 

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 この日は昼夜それぞれ他界隈のフォロワーさんも来てくれており、楽しんでいたようで嬉しかったです。サイン列で推しのところに並んでくれていて、こちらもハッピーでした。

 次回は翌週8日の予定だったのですが、またもや仕事でスキップになりそうな予感……。またもや間が空いてしまいますが、次回も楽しみます!