静心なくお金飛ぶらむ

オタクの現場備忘録。内容と語彙がない。

新山猫最終章 2023.2.18-2023.2.19

2/18 劇団丸組第八回公演『新山猫 最終章』夜公演@CBGKシブゲキ!!

2/19 劇団丸組第八回公演『新山猫 最終章』@CBGKシブゲキ!!

 

 

 名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)の外部ご出演とのことで、行ってきました、『新山猫 最終章』! 前作までを拝見できていなかったのですが、冒頭の映像でこれまでの山猫さんときりさんの旅路を見せてくださったため、すんなり入り込みやすかったです。お顔を存じ上げている方が何人かおられて、人間をなかなか判別できないぽんこつに優しかったです。

 

鞍馬山の山猫(丸山貢治さん)

 初っ端から労咳の咳をしていらっしゃって、『新山猫』の観劇前に舞台『文豪とアルケミスト』を観劇してきたおたくはちょっと面白くなってしまいました。この週末、主役が肺を患った人の舞台しか観ていません。山猫さんの嘘を見抜く目、あらすじ映像でも言及されていて、どういったものなのだろう? と思っていたのですが、巳さんの登場シーンでしっかり見抜いているところを見せてくださって分かりやすかったなと思いました。山猫さんは口調の柔らかさが温かくて、きりさんのことも本当に大事にしておられることが、最終章のみの観劇でも分かりました! 「自然の中に帰ろうかな」という台詞、土の中に還ることを察しているのかな、と感じて辛かったです。また、義豊さんを「見捨てる訳にいかない」と仰っていたのがとても良かったなと思いました。そう言われてしまうときりさんも止めきれないのがずるかったです。

 

〇きり(田中千空さん)

 きりちゃんは幼いながら、真っ直ぐで強い子だなと思いました。きりちゃんは敵が薩摩だと知って「帰れない」と言っていましたが、西郷さんとの戦いを経て薩摩に帰ることを決意できたのがとても良かったと思いました。山猫さんと西郷さんの戦いの中で、しっかり守られながら中央にいる姿が印象的でした。

 もしきりちゃんが諦めていたら二人の旅路は何も得られずに断たれていたかもしれないと思うととても恐ろしいことで、彼女が真っ直ぐに諦めなかったから過去共に戦った仲間を集めて来られたというのがとても良かったです。

 

〇義豊(安田桃太郎さん)

 安田桃太郎さん(以下「桃さん」)は、実はナゴヤ座関連で桃さんがご出演されたところを拝見したことがなく、生で拝見できたのは舞台『刀剣乱舞』だけ。よくやく素顔でのお芝居を拝見できました。

 「義豊」というお名前には覚えがありましたが、ピンときておらず、もしかして新選組にいた人なのかな……? と思っていたのですが、「よしや身は」と仰った瞬間に土方さんだ! と確信してぼろぼろに泣いてしまいました。桃さんのお芝居が細かくて、「山猫」という名前を聞いた時の表情に違和感があったのがお上手だなと思いました。義豊さん、山猫さんが嘘を見透かすからか、山猫さんが自分の正体を見抜いていることを前提に話しているような気がして、義豊さんなりの信頼なのかなと思いました。

 あと義豊さんが山猫さんとリナリちゃんを逃がしたところが下総流山での近藤勇のようで、とてもしんどかったです。

 

〇神の巫女リムセ(さかたりささん)

 本当はリムセではなくマナちゃん。義豊さんが三途の川を渡ると言ったところのマナちゃん、大好きでした。また、マナちゃんが「土方歳三などという人は知りません」と仰るのがとても強く美しくて素敵だなと思いました。

 

〇リナリ(村山優香さん)

 実は『ウルトラマンデッカー』を3話くらいまで観たはずなのですが、その時の村山さんの印象とリナリちゃんの印象が全然違って衝撃でした。リナリちゃんがきりちゃんと共に戦いの場に帰ってきたところでBGMが切り替わって勝利モードになるのが良かったです。また、真のリムセとして命令するリナリちゃんは可愛らしい風貌の中に芯の強さを感じて好きでした。

 

〇カナタ(豊田ルナさん)

 豊田さんがヒロインを演じていた『ウルトラマントリガー』は、主人公のマナカケンゴを演じていたのが寺坂頼我くんだったこともあり(ついでに細貝圭さんが出演されていたこともあり)、唯一完走したウルトラマンシリーズだったため、まさかここで豊田さんを拝見できるとは思わず、とても嬉しかったです! カナタちゃんは不思議な雰囲気を纏った子だな、と思っていたものの、きりちゃん以外と会話していなかったことに1回目では気が付けず、衝撃を受けました。封印されているイペタムが提示されるシーンで、イペタムの隣にもう一つ空の刀掛けがあって、どうしてだろう? とは思っていたのですが、カナタちゃんが「イペタムは二振りで一対」と言ったところでようやく意味が分かって面白かったです。カナタちゃんの一つひとつの仕草がとても可愛くて大好きなキャラクターでした! 神刀イペタムの力を発揮するところがとても格好良かったです!

 

〇セダイ(大林ちえりさん)、オタニ(阿須賀みのりさん)

 セダイちゃんとオタニちゃん、ずっと一緒に行動しているのがとても可愛くて大好きです。少しセダイちゃんの方が強気でオタニちゃんは控えめな印象。お二人のバランスがとても良くて、大好きでした。日本人に対して受け入れがたいという感情は持ちながらも、義豊さんを「旧幕府軍土方歳三」ではなく「自分たちのことを助けてくれる大好きな豊さん」として迎え入れるところがとても温かくて好きでした。

 

〇丑(坂口俊昭さん)

 丑さんはあまり多く話してらした記憶はないものの、あの大きな武器を扱ってらっしゃるところがとても格好良かった印象です。もっとじっくり拝見したかったのですが、目が足りませんでした……。

 千穐楽のカーテンコールで(序列最下位なのに)「十二支最強の……」と仰っていて面白かったです。

 

〇寅(橋渡竜馬さん)

 寅さん、ずっとカリカリしてらっしゃるのがとても可愛かったです。丑さんに続き序列が低いからこそ早く認められたい気持ちが強かったのかな? と感じました。

 余談ですが、橋渡さん、直前まで元祭nine. の神田陸人くんが主演を務めていた「星の王子さま」の朗読劇に出演されていたことを知って、またここにも名古屋のご縁があるな、と思いました。

 

〇辰(宮永裕都さん)

 辰くんは脱力系でちょっとチャラいのが癖になるキャラクターでした。寅さんとのペア感がとても好きです。「了解」のブレイクダンスっぽいポーズがとても好みだったので、あれでアクリルスタンドかラインスタンプが欲しいなと思いました。

 

〇巳(トラザさん)

 巳さんは悪役と聞いていたため、途中から出て来られるのかな……? と油断していたところ、冒頭からご登場で心臓が飛び出しそうになりました。初登場時に「ハリー・ポッター」シリーズのローブのような上着を着ておられて、良かった……! と思ったのも束の間、すぐに脱いでしまってやはり寒そうなお衣装でした。巳さんのアクション、人の頭に躊躇なく膝を叩き込んでいたのも、義豊さんや斎藤さんとの四つ巴も、斬られると可愛い悲鳴をあげてしまうのも、大好きでした! また、巳さんのお声のトーンがとても高くて、トラザさんの悪役のお声はやっぱり大好きだなあと改めて実感しました。

 申さんとの関係性は初見時びっくりしてしまいました……!お二人とも爪を塗っておられてとても素敵でした。申さんに巳寅とまとめて呼ばれていた時の表情も好きでした。

 

〇午(石川真之介さん)

 今回のお顔認識できなかった枠でした……。セットの上の段にいた時の寡黙な雰囲気が印象的です。もっと注目して拝見したかった……!

 

〇羊(安川桃香さん)

 羊さんは十二支の中に一人真っ白で、可愛いと格好良いが共存している方だなと思いました。ひつじさんヘア、やっぱり可愛いですよね……。いつかやりたいヘアメNo.1がひつじさんヘアだったので、横から拝見する度にときめきました。強さを求めている様子が印象的な方でした。

 

〇申(南誉士広さん)

 稽古期間中から、毎日「#今日の南さん」のタグでお写真を拝見していたため、お芝居を拝見するのは初めてながら、劇場に着く前にはすっかりお馴染みの気持ちでいたのが申さんでした。酉さんに次ぐ十二支の実力者ながら、どうして巳さんとあのようなご関係になられたのかな……? と思うと、アナザーストーリーが欲しくなりました。

 申さんは一番最初のセットの上から降ってくるところがべらぼうに好きです。四つ巴では全員観たくて全然目が足りなくなっていましたが、動きが強者でとても格好良かったです!

 

〇酉(神村風子さん)

 冒頭のナレーションも酉さんだと思うのですが、あの澄んだ色に黒いものを滲ませる表現の巧みさが衝撃でした。後半で酉さんが妖刀イペタムだとわかってようやく冒頭の不穏の正体に気が付くぽんこつぶりでしたが、伏線の張り方がお上手だなと思いました。カナタちゃんと対峙した時のがなり声もとても格好良かったです!

 

○元新選組三番隊組長 斎藤一(熊倉功さん)

 お察しかと思いますが、新選組が好きなおたくなので、斎藤さんのご登場の格好良さにまたもや涙腺が緩々になっていました。義豊さんは「土方歳三」としての最後の戦いで、「土方歳三」と決別するための戦いでもあったと思うのですが、もしかして斎藤さんも「斎藤一」と別れて「藤田五郎」になるための最後の戦いだったのでは? と思いました。斎藤さんが白の羽織と和泉守兼定を持ってきてくれるところがとても格好良かったです。斎藤さん、最初から最後までずっと格好良くてずるかったです。

 

会津娘子隊隊長中野竹子宮原華音さん)

 竹子さんは結い上げた御髪と刺繍の入った陣羽織が薙刀と共に大きく揺れる姿がとても格好良くて、観ていてとても気持ちの良い戦いぶりでした! 前作にもご登場されていたとのことで、もっと竹子さんの会津での戦いを知りたかったなと思いました。

 

会津娘子隊 神保雪子(長谷川みなみさん)・依田まき子(五味涼子さん)

 竹子さんと同じ娘子隊のお二人の活躍も凄かったです。特にまき子さんは、トランポリンで登場された際に袴がふわりと持ち上がるのがとても綺麗で、つい視線を釘付けにされてしまいました!

 

〇新徴組組頭 沖田林太郎(進藤ひろしさん)

 沖田さんは立ち姿の威厳がとても格好良かったです。お恥ずかしながら新徴組への解像度がとても低いのですが、新選組の母体の浪士組のうち江戸に残った方だったと記憶しています。沖田さんも過去作に出ていたと伺った気がするので、劇場版『新山猫』が実現した暁にはそのご活躍を拝見できたら嬉しいです。

 

〇お蝶(榎堀まやさん)

 お蝶さんはとにかく棒術がとても素敵でした! 秋に『名古屋心中』を拝見した時も名古屋山之助さんの棒術で情緒が乱されていたため、きっと棒術が好きなおたくなのだと思います。お蝶さんが床を突く度にいい音がしていたのが好きでした。

 

〇イヌイ(大久保洸成さん)

 イヌイさんのご登場シーン、十二支が増えてどうしよう! と思ったら十二支の敵に回ったのがとても胸が熱くなる演出だなと思いました。イヌイさんはきりちゃんに呼ばれた仲間ではなくて、あくまで自分の意志であの場所にたどり着いていたのがとても好きでした。格闘技などへの造詣が深くなくイヌイさんの技がどういったものだったのかは分からなかったのですが、跳んで寅さんの首を的確に狙っていく技が何もかも忘れて「すごい!」と思いました。

 

西郷隆盛(翁長卓さん)

 数年通えていないとはいえ、元々ミュージカル「忍たま乱太郎」シリーズのおたくであるため、トラザさんを追いかけてやってきた東京で翁長さんを拝見できるとは思ってもみませんでした。本当にオーラから強くて、さすがだなと思いました。また、山猫さんとの最終決戦は手に汗握る気迫でした……!

 

密偵(奥平祐介さん)密偵(蚊野塁さん)

 忍者隠密隊を応援し始めて早いもので4年目となりましたが、未だに映像でしか拝見できずにいる雷伝さんとよく似た奥平さん。東京の地で拝見できてとても嬉しかったです! 視力がぽんこつのためお二人の見分けがつかないところも多々あったのですが、お二人とも入れ替わり立ち代わり斬ったり斬られたり、大活躍で格好良かったです。

 

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 『新山猫 最終章』という作品は、お芝居でありながら、ヒーローショーを観ている感覚にもなる、不思議で楽しい作品でした! 立ち回りはもう一から十まで格好良くて、私の脳みそではCPUが足りませんでしたが、もっと観てみたかったなと感じました。クラウドファンディングでDVDをいただけるとのことなので、手元に届いたら見逃してしまったところもたくさん観たいと思います!

 皆様本当にお疲れ様でした!

 

 おまけに。

 ずっとトラザさんの実写アクリルが欲しい言っていたおたくですが、ついに手に入れることができて喜びのあまり東京を連れまわしていました。巳さんのアクスタを作ってくださって本当にありがとうございました……!

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