静心なくお金飛ぶらむ

オタクの現場備忘録。内容と語彙がない。

螺鈿会-RADENKAI- 2024.12.1

12/1 丘商MIDORI工房 螺鈿会-RADENKAI-@和かふぇ冨士屋

 

 

 2024年に発表された推しの現場の中で、異色のイベントがこの螺鈿会。螺鈿って高くて手が出せないよな、と思いながらも、せっかくの機会なので行ってきました。

 

 今回チケットを取ったイベントの会場は冨士屋さんの三階ですが、二階では螺鈿の展示と即売会がありました。少しだけ早めに到着したのでちらりと覗いたのですが、どれもきらきらしていて素敵で、一方で荷物が当たってしまったらどうしよう……と不安だったため遠巻きに眺めました。冬って服も嵩張るので……。

 

 開演すると、紅愛さんと名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)は以前から出ていたビジュアルのお着物姿でご登場。実はこのビジュアルのパネルを拝見するために三月末につばめタクシーさんのイベントにも伺っていたのですが、トラザさんがお召しの紫のお着物が振袖になっているとは終ぞ気付かぬまま十二月を迎えたため、トラザさんが現れた瞬間思い切りびっくりしてしまいました。

 

 まず初めに紅愛さんの喉の調子が良くないとのお話があり、アコースティックライブは「アニキ(トラザさん)が引っ張ってくれる」とのことだったのですが、トラザさんは前日「アニキのアニキ」(忍者隠密隊B.C.A TANBA様)のライブで獣三匹の手綱を握って大変だったため頼れる紅愛さんと夢呂さんに頼る気で来ており、もはや頼れるのは夢呂さんだけというまさかの状況……! そんな中、まずは螺鈿についての座談会から始まりました。

 

 今回の座談会は紅愛さんの喉の問題もあったからかもしれませんが、トラザさんがたくさん進行をしておられて珍しいお姿が見られて嬉しかったです……!

 螺鈿雛人形といった伝統工芸品は時代と共に猛スピードで衰退しているというお話があって、実家に雛人形すらない私は確かに……と思いました。一方トラザさんは子供のころ人形が持っている刀を奪って遊んだり、ご姉妹の雛人形があったため雛段の下に潜って遊んだりしたと仰っていて、浪漫があって羨ましかったです。

 今回はそういった失われつつある工芸を手に取りやすいよう、門戸を広げるために会を開いてくださったとのことで、今後は帯留めなども作りたいというお話があってわくわくしました。また、どういったものが欲しいか? という話題で、トラザさんが刀に、と仰ったところ、江戸時代にはそういった装飾もされていたというお話も聞けて面白かったです。確かに刀の鞘ってつやつやしていて螺鈿がよく映えそう……! 紅愛さんは螺鈿マイクという案を出しておられて、それも良いなと思いました。

 

 アコースティックライブではギターで夢呂さんも和装でご登場。本当は新曲のお衣装の予定だったものの、公式からのお知らせで「夢呂(サポート衣装)」という記載があったため、数年前のイベントで一度使った浴衣を引っ張り出してきたとのことでした。

 紅愛さんの調子が悪いということで、一日何時間使っても二千円という破格の安さの近藤りょーじさんを呼ぶという案もあったそうですが、トラザさんのお声が出たため呼ばずに済んだそう。トラザさんの負担は十倍になったそうで大変でしたが、始まったライブはとっても楽しいものになりました!

 

~セットリスト~

海の声/桐谷健太
めざせポケモンマスター/松本梨香
1/3の純情な感情/SIAM SHADE
Butter-Fly/和田光司
らいおんハート/SMAP
MADOU/麗麗

 

 一曲目は「海の声」。前振りで貝殻から海の声が聞こえるというこじつけをしていた間、トラザさんがDJのようにディスクを擦っていてとても面白かったのですが、誰にも突っ込まれずにいましたね……。

 ほとんどトラザさんが歌っておられて、サビで少し下ハモを入れる程度だったのですが、そのコンビネーションがとてもいい塩梅で好きでした。トラザさんの高めのお声がよく合う曲でした……!

 

 二曲目の「めざせポケモンマスター」では、一度退場した紅愛さんがとても見覚えのある(『TRASH BOX』で使われた)サトシのジャケットとキャップを被ってご登場され、トラザさんが「どっちかというと俺がサトシだよ!」「自分が使おうと思って持ってきたのに」と仰ったので大笑いしました。

 この曲、先月の『TRASH BOX』から時々聴いてはあの時を思い出すおたくだったため、またトラザさんのお声で聴くことができて本当に嬉しかったです! 個人的には「海の声」の歌い方よりこっちの方が好きでした。

 

 「1/3の純情な感情」は実は夢呂さんの思い出の曲だそうで、ほとんど夢呂さんが歌うことに。高校時代の彼女さんと別れた時の気持ちに浸りながら(?)ほぼ弾き語りで歌っておられる夢呂さん、とっても良かったです……! 最後に後藤さんに感謝しておられたのも面白かったです。

 夢呂さんのお歌を拝見する機会が今まであまりなかったので、また拝見できたら嬉しいな……!

 

 「もっと盛り上がりたい」と仰った瞬間に頭に浮かんだのは「Butter-Fly」。これも以前TANBA様とのライブの際に拝見していたので、まさかこれが再び登場すると思わず、不意を突かれた気分でした。合いの手も以前やったことのある人が多いからか、一度の練習でぴったりできるのが面白かったです。

 以前拝見した際もサビ前の夢呂さんのギターに釘付けになったのですが、今回もやっぱり釘付けになりました。あの軽快さが本当に心地良くて好きです。

 

 「らいおんハート」という曲は今回のセットリストの中で唯一初めて聞く曲だったのですが、しっとりと優しい曲だなあと思いました。TANBA様と紅愛さんでライブにご出演される時もそうなのですが、いつも何かしら新しい曲に出会えるのでありがたい限りです。

 前振りで紅愛さんが「アニキはまだ全員を守ったとはいえない」と仰っていて、「前日TANBA様がすべてのおたくたちを守ってくださったのに!?」と衝撃を受けました。

 

 ラストは「MADOU」……! 「MADOU」に入る前のトークで、ライブ前は未だに緊張して楽屋をうろうろしているトラザさんや、曲中に歌詞を忘れてりょーじさんの口元を確認する紅愛さんというあまり見られない一面のお話を伺えて嬉しかったです。また、トラザさんが「昔ナゴヤ座にいた研修生が」と二代目名古屋参太郎さん(坂口裕哉さん)の大好きなエピソードを話してくださって、未だ「名古屋参太郎」といえば坂口さんを指してしまうおたくは大喜びでした。イベントの後坂口さんのおたくと会ったため、その話をしたところエピソードイントロドンになっていてこれも面白かったです。

 曲に入る直前まで「良かった! 辿り着いた!」と和やかに話しておられたのですが、トラザさんが目を開いた瞬間、魔苦減須が目の前にいて震えました。前回『MACBETH』のコンセプトワンマンライブでトラザさんが「MADOU」を歌っておられた時は楽器もたくさん鳴っていたわけですが、今回はアコギ一本だったため、よりトラザさんの歌う「MADOU」が一言一言突き刺さるようで、ここで聴くことができて本当に嬉しかったです。

 「鳴りやみはしない」という歌詞で特大のがなりを響かせた後にシンプルな「亡者の声」を持ってくるところ、大好きでした。麗麗さんのツアーファイナルでもまた聴けますように……!

 

 

 アコースティックライブが終わると、最後は本題である螺鈿の販売に。紅愛さんモデル、トラザさんモデル共に十個ずつとのことで、ちょっとどきどきしたのですが、無事手に入れることができて良かったです! 引っ越しを予定しているので螺鈿と初版本でノスタルジックなコーナーを作ってやる……! と目論んでいます。

 

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 ここから二週間ほどトラザさんの現場はなく、次は30-DELUX NAGOYA『国性爺合戦』……! ちっとも原典について調べられていないのですが、少し時間が取れそうなので登場人物の把握ぐらいはしておきたいところです。

 また、麗麗さんはツアーファイナルと、裏ファイナルも行けそうなのでしっかり新曲も聴いて行きたいです!

 今回も楽しくてためになるイベントを立ててくださってありがとうございました!

BASARA祭り 2024.11.30

11/30 忍者隠密隊B.C.A『BASARA祭り』@新栄リフレクトホール

 

 

~セットリスト~

1.Present Day
2.START
3.勝歌
(体術訓練)
4.勇気100%(忍者隠密隊B.C.A ver.)
5.守って守って守り抜く(全員守ってver.)
6.暗獣
(MC 質問コーナー、吹き矢ダーツプレゼント大会)
7.忍の生き様
8.恋の矢文は正々堂々
(MC)
9.花歌
10.お前の愛を主にするなら
(EN)
11.Black Clad Assassin

 

 11月最後の現場は忍者隠密隊B.C.A年内ラストのワンマンライブ! 先週開催されたサムライニンジャフェスティバル2024でも「楽しみにしていい」と言われていたため、わくわくで新栄に向かいました。このホール、忍者隠密隊B.C.Aの最初のワンマンで来たホールだったため、何となく懐かしい気持ちになりました。

 

 GUNさん(以下「ぐんちゃんさん」)のドラムの一叩きで前回のワンマンライブで鮮烈なデビューを果たしたTANBA様の分身ことTANBA Jr.がステージに倒れこみツボに入ってしまったのですが、そんなことは脇に置いておいて、一曲目はなんと「Present Day」! 

 一曲目に「Present Day」が来たことって今まであったっけ……!? と思って過去のセトリをざかざかと振り返ってみたのですが、ざっと見た限りでは見付からなかったのでやっぱり初めてかも。忍者隠密隊B.C.Aのワンマンライブって、今まで初めに重たい「EVIL SING」を持ってきてその後テンションを上げていくか、まずテーマ曲である「Black Clad Assassin」で分かりやすく始めるかという印象があるので、ここに「Present Day」を持ってくるという選択肢ってありなんだ……! と衝撃を受けました。なお、このおたくは久々の忍者隠密隊B.C.A出陣のためタオルを持ってくるということを完全に忘却していたため、ペンライトを回しました。

 

 続く二曲目は「START」。「START」といえばジャンプですが、このリフレクトホールは天井がとても低いため少しひやっとしました。これ最初のワンマンの時も思った気がします。「START」って、歌詞にも「青空」というワードが登場していますが、TANBA様の明るい高音と合っていて気持ちの良い情景が浮かぶので好きです。

 また、この日の「START」で新鮮だったのがTANBA様のがなりでした。TANBA様が歌っておられる際にがなりを入れるのはよくあることですが、この日の「START」のがなりを入れるポイントがとても良く(と言いながら、どこというのをすこんと忘れてしまっているのですが)、また歌が一段階レベルアップしておられる……! と嬉しくなりました。TANBA様が回を重ねるごとに上達おられて、聴いているだけでも楽しくなります。

 

 三曲目の「勝歌」では突然TANBA様がTANBA Jr.を客席に放りこんで大笑いしました。また、「我と共に進め」という台詞では突然TANBA Jr.に「我と共に進めるか?」と確認し、TANBA Jr.の関節を逆向きに曲げながら拳を掲げさせていてなかなかカオスでした。

 

 メンバー紹介では散髪したばかりのTANBA様が「TANBAのTANは短髪の短」というコール&レスポンスをしたために、HANZO様が「やらなきゃいけないやつ?」と言いながらも「HANZOのZOは臓物の臓」と続き、そんな物騒な……と震えました。

 毎回頬の梵字が変わるYUKI法師さん(以下「ゆっきー」)は今回「鍋パ」と浮かび上がっていて可愛かったです。また、「ゆっきー!」と呼ばれると、見たことのない弾き方で速弾きを披露してくださって、ギター素人には何が起こったのか分かりませんでした。なんだあれ……。

 ラストのぐんちゃんさんは、「ぐんちゃんのぐんは~?」と突然客席に振ったため、いくら訓練されたおたくたちとはいえ答えることができず困惑していて面白かったです。また、今まで毎回「太鼓の達人!」「ぐんちゃん!」というコール&レスポンスの後は盆踊りタイムがあったのですが、今回は盆踊りキャンセルで急に終わってずっこけました。ぐんちゃんさん、この日うっかり今池のリフレクトホールに行ってしまった上、開場直前にライブが何時からだったか確認するというまったりぶりで、TANBA様に突っ込まれていたのも笑ってしまいました。

 

 体術訓練は低い天井を物ともせず風船を蹴り割っていてお見事でした! また、TANBA様はずんずんとフロアに進んでゆき、客席後方から吹き矢でステージ上の風船を割っておられて流石の腕前でした。

 

 体術訓練を終え、続く四曲目は「勇気100%」! 最近よくセットリストに入ってきていて本当に嬉しいです。TANBA様が「二番聞いたことないでしょ」と仰っていたのですが、結構聞いたしなんならほぼ空で歌えるくらいには『忍たま乱太郎』のおたくでした。今回落ちサビがカットされていたような気がするのですが、TANBA様が歌う落ちサビは絶対好きなのでまたどこかで拝見したいところです。

 

 ここ、忍者の流れ(?)だったのか、続いて「守って守って守り抜く」の時間が発生……! TANBA様の「今までたくさん守ってきたが本当の意味で守ったとは言えない」「何かが起こり始めたらできるだけ足を引くように」という言葉でこれは客席全部を回るつもりだぞ、という予測はできたのですが、その後を追従するHANZO様に「マモッテ御守リ」なるステッカーを渡されるとは思いませんでした。しかもこのステッカー、裏になんと数字が書かれており、これがその後のコーナーで必要になるという仕様。抽選用の番号の配り方が巧妙で、忍者って凄い……という謎の感情になりました。

 TANBA様とHANZO様が過ぎ去ってから戻ってこられるまでずっとステージ上に取り残された楽器組を眺めていたのですが、ワイヤレスになり下手から解き放たれたゆっきーがギターを弾きながら上手でぴょんぴょんしておられて、とても可愛かったです。

 

 全員守り終えたTANBA様が、「次の曲なんだっけ」とセトリを確認した瞬間「よっしゃ休める!」と叫んだということは、次はもちろんHANZO様による「暗獣」。もうすっかり曲が耳に馴染み、キメのタイミングも覚えてより一層楽しくなってきています。

 HANZO様の「暗獣」、そういえば以前ここで拝見した時は踊方もおられたはず。最近踊方の皆様のご出陣がありませんが、また拝見したいな……。

 

 「暗獣」が終わり戻ってきたTANBA様はいつもの緑と金の柄シャツにスーツと眼鏡を合わせたヤンチャ教師スタイルでのご登場。この眼鏡ありのビジュアルがとても好みでびっくりしてしまいました。

 そんなTANBA様が主導して始まったのは事前にSNSで募集された忍者隠密隊B.C.Aに対する質問に答えるコーナー! 思いのほか質問が多く集まったとのことで、厳選しつつ更にハイペースで答えていくコーナーになっていて面白かったです。「好きな女性のタイプは」という質問に対し、ぐんちゃんさんが「二次元に限りで、お姉さんよりは……」とお茶を濁したためざわついたり、HANZO様が割と本気の答えを出してきたり、TANBA様が「BASARAのみんな」という答えに逃げたりして面白かったです。

 今回答えきれなかった質問はそのうち配信で……とのことだったので、またいろんなお話が聞けたら嬉しいです!

 

 そしてそのまま次のコーナーは、先ほどの「守って守って守り抜く」の際にHANZO様から配られたステッカーの裏の番号と吹き矢を使った抽選会! 今回は各メンバー2個ずつと、大当たりの計9人が選ばれる仕様。ゆっきーやぐんちゃんさんが吹き矢を吹く姿は初めて拝見したので、なんだかとても嬉しくなりました!

 私はラッキーなことにHANZO様から良いと評判のプロテインをいただいたので、HANZO様のおすすめに従って朝飲んでみようと思います。

 

 プレゼント大会が終わると、TANBA様を除く皆様がステージから捌け、TANBA様からの告知コーナーと、質問コーナーの続きをしながら他のメンバーを待つ時間が。そして登場したゆっきーとぐんちゃんさんはなんとTANBA様同様柄シャツにスーツという衣装チェンジがありました! TANBA様が着替えるのはいつものことだったため特に何も思っていなかったのですが、ゆっきーやぐんちゃんさんのお着換えは初めてでとても嬉しかったです。

 

 そしてHANZO様が戻ってこられないままTANBA様から重大発表として告げられたのが、「新メンバー加入」というニュース! 長い間新メンバーが追加にならなかった忍者隠密隊B.C.Aにようやく新メンバーが……? と思いきや、現れたのは妙に筋骨隆々な美女、服部忍様。

 流れを見守ってくれ、というTANBA様の言葉に「Wind of Battlefield」を思い浮かべたおたくはきっと他にもいると思います。先週のサムライニンジャフェスティバル2024で服部半蔵正重様が情報解禁しておられた新曲ってこれのことか、と思いながら新曲「忍の生き様」を浴びたのですが、なんともいえない昭和歌謡曲の雰囲気がとても面白かったのでまた拝見したいです。

 普段は現世でOL勤めをしているという忍様は、スーツに苦無と辞表を忍ばせてとても格好良いくノ一でした……!

 

 次の曲に入る前にTANBA様が仰ることには、不思議なことにHANZO様と忍様は同時にはいられないそうで、公演終了後に2ショットチェキを撮るのはHANZO様がいいか忍様がいいかというアンケートがありました。

 HANZO様と撮る予定がないおたくも答えるようにとのことで全員で多数決に参加したのですが、満場一致で忍様で面白かったです。

 

 八曲目はHANZO様が戻ってこられないまま忍様と「恋の矢文は正々堂々」。忍様は流石くノ一なので、歌い方まで可愛く、とても良かったです。また、「忍びらしく」という歌詞は「忍らしく」になっていて、TANBA様に「忍?」と突っ込まれていました。

 忍様、どうしてヒールのまま飛び跳ねて踊ることができるのでしょうか……。ふくらはぎの筋肉なのかしら……。

 

 忍様がHANZO様を呼びに行くとサイズ感の合わない柄シャツを着たHANZO様が登場! 何故そんなにぶかぶかなのか……と思っていると、TANBA様が「それ俺の!」と叫んでくださって謎が解けました。HANZO様のいまいち着こなしが決まらないまま、ラストスパートの「花歌」に。

 「花歌」といえば、扇子を最後にばっと開いて仕込んだ紙吹雪を降らせるのがお決まりの演出ですが、これとてもおめでたい感じがするので好きです。次回ののTANBA様の生誕記念ライブはちょうど一月なので、これで始まったら新春感もあっていいなあとふと思いました。

 

 本編最後は「お前の愛を主にするなら」! このラストのタイミングにぎゃりぎゃりとしたがなりボイスが来るのが、すべて出し切るという覚悟のような気がして大好きでした! やっぱりこの曲はがなりがよく似合います。

 

 余韻もなく颯爽と忍者隠密隊B.C.Aが去っていったかと思うと、袖からTANBA様の「B.C.A! B.C.A!」というコールが。そのお声に合わせてコールすると、ものの数回で再び登場してくださって面白かったです。

 「まだやってない曲ありましたよね」とTANBA様は仰っていましたが、候補がいくつかあって、それがとても嬉しかったです。全曲やらなくてもワンマンライブの尺が持つって本当にすごい……! 以前初めてのワンマンライブをこの会場でやった一年半前から、更にパワーアップしているのだなあと改めて感じました。

 TANBA様の柄シャツが全然着こなせず、ついにピコピコハンマーで殴られたHANZO様はこの三年間で一番の曲前の煽りを任されることに。珍しくHANZO様の「Black Clad Assassin」の煽りとなったのですが、曲に入れず結局TANBA様が盛大に煽って締めくくりとなりました!

 やっぱり忍者隠密隊B.C.Aのワンマンライブで「Black Clad Assassin」がないことはないよな、と思った一方、結成当初からここまでずっと第一線で輝くこの曲のポテンシャルの高さを改めて感じました。

 

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 次回は一月のTANBA様生誕ライブ! 上半期は毎月ご出陣があるとのことで、進化し続ける忍者隠密隊B.C.Aが見られるのがとても楽しみです!

 

スケロクブギ! 2024.11.23

11/23 『スケロクブギ!』昼公演・夜公演@ナゴヤ

 

 

~配役~

助六(曽我五郎時致):名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)

揚巻(鈴香):名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)

外郎売(曽我十郎祐成):名古屋参九郎さん(以下「サンキューさん」)

髭の意休(伊賀平内左衛門家長):名古屋虎之助さん(以下「トラスケさん」)

工藤祐経/通行人:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)

仁田忠常:名古屋参十郎さん(以下「ジューローさん」)

かんぴら門兵衛/近江小藤太/通行人:名古屋参雀久さん(以下「サンジャクさん」)

 

 今月最後のナゴヤ座観劇となったこの日、久しぶりにトラザさんの助六を拝見することができました!

 トラザさんの演じる助六は怒りの感情が強い記憶があったのですが、この日の助六はそれよりも悲しみややるせなさが強く、「やはり聞きたくない言葉ぞ」と言いながら友切丸を振り上げることもできず縋りついていたのがとても印象的でした。きっと、今までの人生の大半を復讐に捧げてきた助六にとって、敵討ちをやめるということは拠り所を失うことと同じなのだと思います。何に縋っていいかわからなくなった結果が敵討ちの象徴でもある友切丸に縋り泣く助六だったのだろうな……。

 「何か言え」という台詞も、今まで聞いた中で最も掠れて弱々しかったように感じ、助六の迷いがありありと伝わってきて大好きな回でした。 

 

 揚巻はサンエーさん。トラザさんの助六が揚巻のことを好きすぎるからかもしれませんが、助六とのスキンシップが多く、冒頭で髭の意休の前から去る際に一度手が離れてからまた握りなおすのがとても好きでした。

 この日の助六を悲しみが占めていたのは揚巻からもらったパスのおかげなのかなと思います。やっぱりサンエーさんとトラザさんって相性が良いのかも……?

 

 サンキューさんの外郎売の口上も久々に拝見しました! サンキューさんの外郎売の口上は、本家をそのままに緩急をつけることで飽きさせないところにサンキューさんの手腕が表れていると思っているのですが、この日の昼公演は「あれあの花を見て、お心を、おやわらぎやという。」の「あれ」で落ち着きすぎたのか、一瞬フリーズしていたので笑ってしまいました。

 また、かんぺら門兵衛に言わせた早口言葉は「キットカット買っとかんとかんかったのにあんたが買っとかんかったでいかんかったんだわ」という耳に馴染んだもの。実はこの日、この早口言葉をそのまま曲名にして歌う麗麗さんのライブツアーの名古屋公演があったからそれでなのかな? これが言えたら名古屋市長になれる、と外郎売は言っていたものの、かんぺら門兵衛は惜しくも言えず、市長の座を逃していました。

 サンキューさんの十郎はいつだって優しいのですが、この日の悲しみが強い助六の背中にそっと手を回して支えてくれる十郎がサンキューさんで本当に良かったと思いました。

 

 髭の意休は久々にトラスケさん。この日昼夜共に上手の端に入っていたところ、一幕で助六に友切丸を渡した後に髭の意休がにやりと笑っていて驚きました。そもそも髭の意休は、友切丸が仁田の手に渡りそうになった時には既に偽物にすり替えているわけで、どこまで計算していたのだろう? という疑問はこの『スケロクブギ!』が始まったことから持っていました。この日髭の意休の表情を見て少なくとも助六の手に渡るところまでは読んでいたのだろうな、と思ってトラスケさんにお話を聞いたところ、二幕の工藤の「最早これまでか」まで読んでいると言われ、雷に打たれたようでした。

 トラスケさんの演じる髭の意休は特にふざけたように軽く見せるところがあるため、そういった人が裏の裏まで読んでいるという切れ者の振る舞いがまたトラスケさんによく似合っていて好きでした。

 この日久々にトラザさんの助六とトラスケさんの髭の意休の組み合わせを拝見したのですが、助六が髭の意休をカナヘビだと揶揄する際に「あだ名は杓文字」と言い出したのに対し、「どこから仕入れた!」と頭を抱えておられたのがとても面白かったです。

 

 工藤はサンスケさん。サンスケさんの工藤は最初の頃は揚巻の言葉を受け、申し訳なかったという感情が全面に出た謝罪をしていたように思いますが、最近は謝罪の前に言い澱む様子があってどういう感情の変化なのだろう、と考えていました。ここに関して悩んだ結果サンスケさんのおたくに話を聞くと、「目下の者に謝罪をすることは切腹より屈辱的」という話があったそうで、なるほど、と納得しました。あの百面相は矜持と感情と理屈が綯い交ぜになった状態だったのだなあ……。

 

 ジューローさんの仁田はいつも通り仕事のできる工藤の右腕だったのですが、この日の昼のちょい見せは助六と揚巻の悪巧みのせいでとても面白いことになっていたため、そこだけは忘れないように記しておこうと思います。

 ジューローさんがこの日用意していたのはリンボーダンス。しかし、助六と揚巻がそれでは駄目だというため、観客から一文字もらってその文字から始まるきゅんきゅんする台詞を言うことに。最初の「し」で始まる台詞がよく分からず、首を傾げていたところ急に指名が飛んできたため口走ってしまった文字が「ぬ」。盗んだバイクで走りだそうとし、揚巻に「窃盗罪だからだめ」と却下されていて大笑いしました。

 

 サンジャクさんのかんぺら門兵衛も久しぶりに拝見できました!

 外郎売の出す早口言葉には残念ながら敗北したサンジャクさんですが、外郎売と「また明日」とお話されていて、翌日同じく大高緑地に向かう予定だったおたくたちは大笑いしました。また、「杓文字」と呼ばれていた髭の意休に対して申告したあだ名が「モアイ」だったのが親分子分揃ってとても面白かったです。

 以前も通行人の酔っ払いは拝見したのですが、あの時よりも更にパワーアップしており、なかなか帰る気配がない酔っ払いに悪戦苦闘する曽我兄弟がとても可愛かったです。夜公演ではガチャガチャのマーモットをペットとして引っぱっていて、本当に情報量を積み重ねる天才なのだなと思いました。

 2024年のサンジャクさんのご出演日はあと1日しか拝見できないのですが、今年中に工藤も観たいところです……!

 

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 次にお芝居を観るのは来月の『国性爺合戦』。ナゴヤ座はその翌週までお預けになってしまうのですが、最終週は今のところずっといられる予定なので、2024年も最後まで楽しみにしております!

劇団鯱 2024.11.17

11/17 劇団鯱 昼公演・イブニングショー@羅い舞座京橋劇場

 

 

 今月の初めに『TRASH BOX』を観てからというもの、長谷川さんの「乱の舟唄」の面影を追うようにして大衆演劇の公演情報を眺めていたところ、『大江戸喧嘩花』で拝見した劇団鯱さんが大阪におられると知り、軽率に劇場まで足を運んできました。というか、今回検索して知ったのですが、大衆演劇をやっている劇場ってたくさんあるんですね……。気になったタイミングで拝見したことのある劇団がアクセスしやすいところに来てくださっていてラッキーでした。

 

 前回『大江戸喧嘩花』の際に本来は毎日違うお芝居をされているという話を聞いて恐怖したのですが、公演情報を確認したら本当に毎公演違う演目名が並んでいてひっくり返りそうになりました。月初には「丹下左膳」もやっていたようで、もう少し早く気が付きたかった……! と歯噛みしました。

 この日の昼の演目は新作狂言「死線を超えて」でした。中風を患い死を選ぶことにした男が泥棒に死に方を教えてもらい、入水しようとするもうまく行かず、結局二人して飛び込んでしまう。幸い二人は助かり、男の中風は治ったが、今度は泥棒が中風になってしまった……というお話。「狂言」と事前に見ていたため、お話の着地点は見えていたのですが、不意を突かれたのが泥棒が入水の手本を見せるという場面でした。「波の音だけでは死ねない」という話から曲を掛けることなり、袖の音響さんに指示をした泥棒がランダムな曲に合わせて踊るという言わば笑いのシーン。ここで何曲か掛かったうちの一曲が、なんと『TRASH BOX』で神田さんが踊っておられた「夢芝居」でした! ここのところ『TRASH BOX』で使われた曲をプレイリストにして繰り返し聞いていたため、イントロが流れ始めた途端あっと驚いてしまいました。まさか『TRASH BOX』の幻影を追いかけていたら本当に出てくるとは……。

 

 舞踊ショーはこの日「礼斗祭り」と題し、獅童礼斗さんが何度もご登場。お芝居と舞踊ショーで皆様の出で立ちがまったく違うため、お芝居と舞踊ショーでご出演の方が異なるのでは? とすら思ってしまうのですが、不思議なことに舞踊ショーを拝見しているうちに皆様のお顔がわかるようになってきて面白かったです。『大江戸喧嘩花』で拝見した皆様も認識することができ、この方々を観に来たのだったと嬉しくなりました。

 

 舞踊ショーが終わると、兜獅子丸さん、松川翔也さん、兜天馬さんのお三方でこの日予定していなかったイブニングショーをやるとのアナウンスがあり、なんだかわからないままに残っていたら、とても可愛らしいドレス姿で登場されて衝撃でした。

 二部の舞踊ショーでは知らない曲ばかりだったのですが、イブニングショーでは知っている曲も複数あり嬉しかったです。

 

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 大衆演劇って敷居が高いな……とこっそり思っていたのですが、割と気軽に行けると知ってしまったので、またタイミングさえ合えば行ってみたいです!

スケロクブギ! 2024.11.16

11/16 『スケロクブギ!』夜公演@ナゴヤ

 

 

~配役~

助六(曽我五郎時致):名古屋山三郎さん(以下「座長」)

揚巻(鈴香):名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)

外郎売(曽我十郎祐成):名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)

髭の意休(伊賀平内左衛門家長):名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエモンさん」)

工藤祐経/通行人:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)

仁田忠常:名古屋参十郎さん(以下「ジューローさん」)

かんぴら門兵衛/近江小藤太/通行人:名古屋参史郎さん(以下「シロウさん」)

 

 この日はかなりスタンダードな配役。その分じっくり観られたように感じます。

 ここのところ座長の助六を続けて拝見しているのですが、どんどんツッコミ属性が増しているような気がしています。この助六、昔からきっと天然で人の好い兄にツッコミを入れてきたのだろうな……。

 時に初期の座長の助六が小さめのピアスをたくさんつけておられたのが好きだったのですが、最近は大きめのフープが左右一つずつになっていて寂しいです。戻すご予定とか、ないかな……。ないか……。

 

 サンエーさんの揚巻は少し久しぶり。個人的に捕らわれた揚巻と十郎が会話するシーンの空気感が好きなので、久々に観られて嬉しかったです。

 サンエーさんの揚巻の緊張感と明確な敵意のバランスが良く、工藤と対面するシーンでは弱く見える一方で、助六や十郎を諭すシーンでは芯の強さが見えるのが好きでした。

 

 ここのところ続けて十郎を拝見しているトラザさんは、この日喧嘩のやり方を助六に教わる際に声帯をその辺に落っことしていて季節の変わり目を感じました。お大事に……!

 最近ラストシーンの十郎の感情が回によって全然違って見えて、これがお芝居の面白いところだなと思っているのですが、この日は特に悲しそうに見えて新鮮でした。助六に鞘を渡す動作にも万感の思いが詰まっていて、あの瞬間、言葉を交わさずとも曽我兄弟の感情が通じ合ったのだなと思いました。

 

 髭の意休は原典である『曽我物語』の台詞を述べるところがあって、演じている人によってその台詞の重圧感が変わるのですが、ダエモンさんの髭の意休は特に重量を感じるのが面白くて好きです。

 いつもユニコーンに乗って登場してからの台詞が長く他の皆様から「巻いて!」と言われている髭の意休ですが、この日は割とスムーズで良かったです。

 

 工藤はこの日もサンスケさん。サンスケさんの工藤をずっと拝見している印象なので、違うお役も拝見したいです……。新役も出ていますがいつになったら拝見できるのやら……。

 

 ジューローさんの仁田も見慣れたものですが、この日は何故か仁田までバナナでボケていて大笑いしました。ボケはちょっとよくわからなかったけど。仁田って格好良いポジションのはずなのに面白い記憶ばかり残るのはやっぱりジューローさんだからなのかな……。

 

 シロウさんの門兵衛は久々に拝見できました。シロウさんの門兵衛は若い衆という印象が強くて常々可愛いな……と思っているのですが、二幕の近江はとても冷え冷えとしているのでギャップに驚かされます。近江のアナザーストーリーも観たいところです。

 

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 いよいよ年内最終公演日も発表された『スケロクブギ!』、今年中に観られるのも残り僅かになってきましたが、たくさん観劇して〆の会を迎えたいです!

のうぜい合戦 2024.11.12

11/12 舞台『のうぜい合戦』@穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース

 

 

~配役~

猪狩智也:小出恵介さん
宮地健介:細貝圭さん
新開光昭:田淵累生さん
猪狩典子:緒月遠麻さん
岸カスミ:古畑奈和さん
岸あきひこ:田村侑久さん
望月類:村瀬文宣さん
本橋徹:服部ひろとしさん
猪狩恒吉:うじきつよしさん

 

 かつて2.5次元舞台を中心にしていた頃推しとの共演が多くよく拝見していた細貝さんと、BOYS AND MENの推し枠である田村さんがご共演と聞き、これは行かねばと豊橋まで行ってきました。田村さんとWキャストの小坂さんも観たかった……!

 

 今回チケットがSS席だったため、前方席だとは分かっていたのですが、実際に入ってみると思いのほか近く驚きました。

 セットはしっかり組んであるタイプで、つまり転換がないということだな……? と思った通り、最初から最後までノンストップの公演でした。人々の入れ替わるテンポも速いのに、初見でも振り落とされることなくついていくことができて、さすがなるせさんの脚本だな……と思いました。このおたく、なるせさんの脚本には舞台『文豪とアルケミスト』でお世話になっています。

 

 ストーリー自体はとある地方自治体で、ふるさと納税を始めようとしている中で推進派と反対派の対立が起こるという構図なのですが、すべての登場人物の癖が強すぎる……! 皆それぞれ良い面も悪い面も持っていて、それがとても人間臭いなと思いました。

 

 猪狩は、初めのうちはスピーチの練習をしようとする度に邪魔が入る不憫な人だという印象があったのですが、話が進むにつれてたちの悪さが露呈してきて、怪物のように見えました。この物語に登場する人物の中で、一番欲に忠実でその場しのぎが得意な猪狩は、きっとこの先も適当にお茶を濁して生きていくのだろうな……。嫌だな……。「マスオさん」と揶揄されていましたが、多分マスオさんは不倫したうえその罪を上司に擦り付けて逃げることはしないと思います。

 

 宮地は基本的には良い人なのですが、組織票に心が揺らいだりカスミに対してはっきりした態度を取れないあたりはやはり弱いなと思いました。

 個人的に一番最初に拝見した細貝さんが學蘭歌劇『帝一の國』の駒光彦だったため、また政治をしている……! と思ってしまいました。駒は氷室の間違いを正すことができた人だったので、今回も一度はふるさと納税推進派に流されてもしっかりと自分の信じる正解を貫くことができて嬉しかったです。あとはカスミをどうにか幸せにしてもらえないかと願うばかりです。

 

 新開は一番観客の目線にいる存在なのだなと思いました。実際に市役所の窓口で質問をした時に新開のような何も知らない人に当たると不安になりますが、新開がいるおかげで税収について詳しくない人でもついていけるように作られていて助かっていました。

 田淵さんのご活躍は映像では拝見していたものの、実際に現地で拝見するのは初めてだったため、ここで拝見できて嬉しかったです。何となくアドリブに強い方のような気がしました。

 

 典子は不倫をしていたり自分の利益に貪欲であったりと悪い面が目立つのですが、それは猪狩の目を通してこの『のうぜい合戦』という物語を見ているからなのかもしれないなと思いました。

 実は典子って冒頭からずっと猪狩とよりを戻そうとはしていて、そのサインを受け取っていないのは猪狩なんですよね……。まあ不倫はしていますが……。

 

 カスミは猪狩の不倫相手にされた被害者ではあるのですが、はっきりと意見を言わないところがあり、それがずるいなと思います。カスミがもう少しきっぱりした態度を取ってくれたら物事もスムーズに解決しただろうに……!

 カスミは何やかんや宮地の好意を受け取らない可能性があって怖いです。

 

 あきひこ(というかウニ男)は、物語を掻き回す重要なポジションを担っていました。正義感と思い込みは多少強すぎるものの、自分の町のような失敗例が増えないようにと動くことができるあきひこはとても優しいと思います。それにしても毒性の強いウニを客席に投げつけるのは予想外で大笑いしてしまいました。

 今回田村さんのお芝居を久しぶりに拝見したのですが、「岸あきひこ」という役を田村侑久という人間にうまく落とし込んでるなと思いました。近々また舞台のご出演があるので、そちらも観にいきたいです!

 

 望月は初めは若手の記者なのかな? と思っていたのですが、実は敏腕で驚きました……! 身を隠さなければならない程の闇に触れた望月、何を知っているのやら……。

 村瀬さんは以前『ナナシ』で拝見していて、次回『国性爺合戦』で拝見できる予定なので、ご縁があって嬉しかったです。

 

 本橋はわりと良い雰囲気で物語を終えたと思いますが、それでも不倫をしていた事実は消えないんですよね……。それでも本橋が良い人に見えてしまうのは、猪狩と違って反省の色を見せるからなのかなと思いました。

 

 恒吉は典型的な厄介なご老体なのかと思ったのですが、思いのほか熱い御仁で驚きました。アルツハイマーアルコール依存症になる前はしっかりとした技術者だったのだろうな……と思いました。諸行無常……。

 うじきさんはお稽古の辺りからよくSNSのおすすめTLに流れてきていたので、ランダムブロマイドでサイン入りが当たって嬉しかったです。

 

 今回は田村さんのおたくで細貝さんと小坂さんのグッズが欲しい謎の人というスタンスで観劇しに行ったのですが、スタッフの皆様が推しの現場でお会いしたことのある方ばかりで不思議な感覚でした。いろいろと本当にありがとうございました……!

 

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 今回一公演のみの観劇だったので、アンテナに引っけられなかったところがたくさんあるのだろうなと思うのですが、SS席の特典で台本をいただけたので、じっくり読みたいと思います。

 久しぶりにお芝居を拝見できた方がたくさんいて嬉しかったので、次は舞台『文豪とアルケミスト』で田村さんや細貝さんを拝見したいです……!

スケロクブギ! 2024.11.10

11/10 『スケロクブギ!』昼公演・夜公演@ナゴヤ

 

 

~配役~

助六(曽我五郎時致):名古屋山三郎さん(以下「座長」)

揚巻(鈴香):名古屋参史郎さん(以下「シロウさん」)

外郎売(曽我十郎祐成):名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)

髭の意休(伊賀平内左衛門家長):名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエモンさん」)

工藤祐経/通行人:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)

仁田忠常:名古屋参十郎さん(以下「ジューローさん」)

かんぴら門兵衛/近江小藤太/通行人:名古屋参九郎さん(以下「サンキューさん」)

 

 前日までどっぷりと『TRASH BOX』の世界に浸っていたのですが、トラザさんがご出演とのことでおたくも元気にナゴヤ座に行ってきました。

 

 この日助六は座長。座長のお芝居って普段からとても安定していて、マイナーチェンジというよりは別種のものが出てくるという印象なのですが、この日の助六は夜公演でマイナーチェンジがあった助六のように感じました。どこが、と上手く表現できないのが悔しい……。

 座長の助六は大人っぽい印象があるのですが、この日はどこか幼く見える瞬間もあって好きでした。

 十郎が「今口に謝らせるから」と孤軍奮闘している間、冷静に突っ込みを入れていたのも面白かったです。

 

 揚巻はシロウさん。シロウさんの揚巻と座長の助六のコンビは、ここ最近よく拝見している気がするのですが、他の助六と組んだ時よりどことなく大人っぽく見えて不思議でした。

 昼公演でこっそりサンスケさんの水を冷蔵庫に戻したために夜公演で助六が揚巻に回した水を工藤に奪われたのですが、十郎からもらっていてこの揚巻は強かだなと思いました。

 

 十郎はトラザさん! 座長の助六との組み合わせは本当に久しぶりで、一周まわって新鮮に感じました。

 ジューローさんが助六の日は喧嘩の仕方で見せ場を奪う十郎ですが、久しぶりに「オイオマエ!」と高い声で威嚇する十郎を観られて嬉しかったです。夜公演では一度「おい鬼太郎!」と口走っていて、水木しげる作品のおたくは大喜びでした。

 またこの日はパリ祭だったため、夜公演の練り歩きからベレー帽を被っていた外郎売が本編最初の登場の時にベレー帽を烏帽子のように立てて被っておられて大笑いしました。ずるい。

 トラザさんは助六も十郎も演じておられるため、毎公演ラストシーンは手に汗握るのですが、この日の夜公演でぽとりと音を立てて落ちた十郎の汗にはっとしました。今まで拝見してきた十郎は揚巻の言葉に納得して助六に刀の鞘を差し出していたような気がするのですが、この日は溜飲を下げるために鞘を渡して助六に託したような感覚があり、それがじんわりと良くて好きでした。

 前日までteam TRASHの長谷川さんとしてのお姿を拝見していたため、このタイミングでトラザさんのお芝居を観られたことがとても嬉しかったです!

 

 ジューローさんといえば笑いの神様に微笑まれていることでおなじみですが(?)、この日もしっかり爆笑の渦を引き起こしていました。

 というのも、この日ジューローさんはもはや安定の仁田役。仁田はアイテムボックスからバナナを手に入れて「滑るぞ〜」と言った途端仁田自身が足を滑らせるというミラクルが起こり、助六たちからも「面白いことやる前にウケるのやめてくんない?」と言われていて大笑いしました。

 

 そしてこの日最大のモンスターといえばやはりサンキューさん演じる通行人のカブッキーマウス……! とんでもない出オチではあるのですが、そのインパクトがあまりにも強く笑いすぎて呼吸ができなくなるほどでした。新キャラに不意を突かれた助六と十郎が笑い転げていたのが可愛かったです。

 

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 今回は前日まで観ていた『TRASH BOX』の記憶で頭がみちみちのタイミングで観てしまったので言語化が追いつかなかったのですが、外部公演が終わっても帰るところがあるって幸せだなと改めて感じました!

 次回観劇日が絶妙に決まっていないのですが、新役も出ていて次回も楽しみです!