静心なくお金飛ぶらむ

オタクの現場備忘録。内容と語彙がない。

GANKUTSU-O 2024.4.21

4/21 『GANKUTSU-O -復讐の夜明け-』昼公演・夜公演@ナゴヤ

 

 

 土曜日の休演があり、一週間ぶりにナゴヤ座へ! 今回はナゴヤ座が四年ぶりという友人と共に観てきました。

 

 

~配役~

エドモン・ダンテス:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)

ファリア司祭/ファラオン号船員:名古屋虎之助さん(以下「トラスケさん」)

ヴィルフォール名古屋山三郎さん(以下「座長」)

ダングラール:名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエモンさん」)

ヴァンパ/モレル/ナポレオン:名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)

ヤコポ/ファラオン号船員/ルイ十八世/部下:名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)

典獄/講談師:名古屋参九郎さん(以下「サンキューさん」)

 

 先週お披露目となったトラザさんの新役をどうしても観たい、と呻きながらやってきたこの日。ちょい見せで典獄に続いて降りて来られたモレルがトラザさんで、おたくは心の中でガッツポーズをしました。

 トラザさんのモレルはお衣装の雰囲気もあるのか、とても父親感があって、社員のことを家族として扱うタイプの商会長だと思いました。また、3か月の休みを提示するダングラールに対し、条件を飲む際に無理やりにでも笑顔を見せるところがとても好きで、本当に人が良いのだろうなと思いました。笑顔の中にもちゃんとマイナスな感情の色が出ていて、表情の作り方が凄かったです……!

 

 トラザさんは悪役の時に声が高めになる印象があるので、ヴァンパは低音でドスの効いた声色なのが新鮮に感じられました。また、ヴィルフォールの立ち回りは正統派で綺麗なので、ヴァンパの荒々しい立ち回りが面白く、拝見しながらわくわくしました。カトラス(かな?)をくるくると回しておられたのもヴァンパらしさの一つに感じられて好きでした。

 

 ナポレオンは、ヴァンパと同じメイクのはずなのに、髪型と表情が異なるだけでこんなに違って見えるのか、と気が付いて、アハ体験をした気分になりました。また、夜公演のナポレオンのシーンで照明の不具合があったのですが、座長とトラザさんが姿が見えない中でも会話を続けてくださっていたのが、あまりにも「The show must go on」でエーステ春夏公演に通っていた頃を思い出しました。照明は乱れていたものの、昼公演とは違った空気のセントヘレナ島がそれはそれで好きでした。

 

 

 また、ようやく拝見できたのが座長のヴィルフォール! 座長のヴィルフォールのビジュアルが強いのはもちろんのことながら、一番はお声のトーンが衝撃でした。お声が低いことに加えて、普段のお声よりも固く聞こえて、ヴィルフォールという人物の頑なさを感じました。今まで拝見していたトラザさんのヴィルフォールに感じていた父親への憧憬よりはもっと内省的に受け取りました。この辺りもっとじっくり見たい……!

 

 

 サンキューさんの典獄は先週も拝見したところでしたが、昼公演でエドモンに対して「亡霊だよ、亡霊」と述べた2回目の「亡霊」がとても小声で、その瞬間ぞくっとして好きでした! 夜は変わってしまっていたけれど、あの昼の言い方をもう一度聞きたい……!

 

 

 サンスケさんのエドモンとトラスケさんのファリア司祭の組み合わせも初めて観られました。ツッコミが厳しめのエドモンがトラスケさんの優しくて面白い人柄と合っていて新しいケミだなと思いました。

 余談ですが、仏像のふりをしているファリア司祭を「まんまんちゃん」と拝んでおられて、東海地方の皆々様には分からないのでは!? と思ったのですがどうだったのでしょうか。このおたくは関西人なので唐突な「まんまんちゃん」でツボに入ってしまいました。不意打ちはずるいです。

 

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 今回はようやく拝見できたトラザさんの新役に脳の処理能力を奪われてしまったのですが、次の週末はついに周年ウィークの幕開け! 今年はたくさん観られる予定なので、まだ観られていない配役も期待しつつ、全体的に観て楽しみたいです!

 

 

2024/4/23追記

 この日一緒に来てくれた友人がファンアートを寄稿してくれました! このシーン、ダングラールの絶望感がひしひしと伝わってきて大好きです。

 なお当の友人は、サンキューさんの典獄が良いとガチャを回し続けていてにっこりしました!

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名古屋エンタメの日 2024.4.15

4/15 麗麗-reirei-丸八主催『名古屋エンタメの日~紅愛の呼びたい人集めましたSP~』第2弾@HOLIDAY NEXT NAGOYA

 

 

 ついに来ました、名古屋エンタメの日! 毎回推しであるTANBA様を呼んでくださるので、今回も行ってきました。嬉しい!

 

 

 

紅愛×TANBA feat.近藤

 お目当てはトッパー! 今までの単騎出陣と違う編成で、どうなるのかどきどきで迎えた開幕、1曲目からテンションがぶち上りました。

 

~セットリスト~

1.乱舞絶刀~BLACK & GOLD~/麗麗×忍者隠密隊B.C.A

2.仮面舞踏会/少年隊

3.守って守って守り抜く/忍者隠密隊B.C.A

4.羞恥心/羞恥心

 

 久々に拝見した「乱舞絶刀~BLACK & GOLD~」、今回は「feat.近藤」ということで楽器を持たないりょーじさんも歌ってくださって嬉しかったです! この曲、麗麗さんとB.C.Aが絡まないと完全版を聴くことができないので、こうして定期的にやってくださるのがありがたいなと思いました。

 

 1曲目が終わると一旦MCに。TANBA様が雑に「紅愛さんとりょーじさんです」と紹介したり、紅愛さんのいつもの自己紹介に合わせて近藤りょーじさんがドラムに走っていったり、TANBA様が金シャチ横丁への出陣を他の忍者に任せていることを告白したりと情報量が多めの自己紹介でしたが、一番面白かったのはりょーじさん。「レモン弾ける18歳」ときゅるんきゅるんで名乗ってらして大笑いしました。あれ、TANBA様がりょーじさんの「はい!」を聞いて「アイドルみたい」と言い出したからそちらに振り切ったのかな? と思ったのですが、反射的にあの自己紹介が出せるりょーじさんの瞬発力に脱帽しました。

 TANBA様というか百地丹波様は金シャチ横丁に出陣してください。百地様が足りません。

 

 2曲目は皆で歌える曲ということで、少年隊の「仮面舞踏会」。恥ずかしながらこの曲をちゃんと聞いたことがないのですが、私の脳裏に『戦国鍋TV』の「シマバラン伝説」の映像が流れだして、あの元ネタの……! と思いました。りょーじさんがふわっとペンライトを振るだけだったおたくに「歌え!」と煽ってくださったのですが、知らないことを言うとびっくりしてらして申し訳なさを感じました。でも普通に私もりょーじさんも生まれてなくないですか……?

 センターのりょーじさんの面白さと最後の決めポーズのダサさが最高に好きでした! あとTANBA様のお声に合っていていいな~と思ったので、Youtubeとかにチャンネルを作って公開してほしいです。毎日聴きたい中毒性がありました。

 

 次の曲に行く前に、ここでTANBA様による忍術講座。教えてくださった忍び足とうずら隠れの術は少し怪しい気がしましたがうずら隠れとたぬき退きが混ざっていたような気がします)、忍術は実生活にも使えるよなあ、とは思いました。五車の術とか……。好きになった相手をストーカーしようとするTANBA様、とても戦国倫理で良かったです。あと実演してくださった際に最前列の緑のペンライトが輝きすぎてTANBA様のお姿が見えてしまっていて申し訳なさを感じました。一応後ろに隠したものの、上手がまるっと「TANBAガールズ」(りょーじさん命名だったため光がぴかぴかでした。りょーじさんが「TANBAガールズ」という度にTANBA様が「ミドリガメ推しかもしれないよね」と否定していたのも面白かったです。

 

 紅愛さんとりょーじさんがTANBA様に弟子入りし、3曲目は忍者隠密隊B.C.Aの「守って守って守り抜く」! 曲に入る直前に「守られる心積もりをしてください」というお言葉があって面白かったし、後半で「俺はお前らを守って守って」のところでTANBA様がスペースを開けるよう指示をしたので退いたところ、勢いよく射出されていったのがあまりにもツボで楽しかったです。紅愛さんとりょーじさんがステージ上で「兄貴~!」と呼んでらしてちょっと可愛いなと思いました。

 あと間奏のダンス! りょーじさんがそれっぽく踊ってらして凄かったです!

 

 ラスト1曲で、ここまで皆さんが着ておられたジャケットを脱ぎ捨て白タンクトップ姿に! 色違いのバンダナをそれぞれ巻いて、いったい何が始まるのか……? とどきどきしていたら、なんと羞恥心「羞恥心」でした。あまりにもド世代だし、TANBA様が唯一生で拝見したことのあるつるの剛士さんのパートでちょっとご機嫌でした。あと曲振りで紅愛さんが「元気与えるおじさんズ」と仰った瞬間、頭の中に『YAJIKITA3』の元気なお兄さんが浮かんできてしまって、少しツボに入ってしまいました。

 お三方、カラオケで練習なさったとのことで、その映像もいつか公開されたりしませんか……? と思っています。あとダンスもコピーなさっていて凄かったし、決めポーズは「仮面舞踏会」と同じでダサさが最高に好きでした。

 

 クレメロのお二人とアコースティックで歌っておられるTANBA様も大好きですが、こういうとことん面白い方向に突き抜けたユニットも大好きなので、また定期的に拝見したいなと思いました!

 

 

Signal

 2番手はSignalさん。赤色担当の岩田将臣さんは見慣れきったお顔ですが、黄色担当の月山翔雲さんと青色担当の田北良平さんは初めまして。いやでも絶対田北さんのお顔は拝見したことがある……、というかお顔が好みすぎる……と思いながら拝見していました。

 

 1曲目の「Signal」、2曲目の「さくら」、最後4曲目の「4COLOR」はオリジナル曲(「さくら」は月山さんの曲とのこと)で、どれもあまり聴かない系統の曲だったので新鮮でした。あれはどういうジャンルに当たるのかな……。

 「4COLOR」はまだ音源になっていないとのことで、音源が出たらまた聴きたいです!

 

 3曲目では、主催の紅愛さんと、何故かTANBA様もご一緒にゴールデンボンバー「女々しくて」がありました! この時後ろからゴールデンボンバーさんに通ってらしたのかな? という煽りの声があってありがたかったです。あとTANBA様が田北さんと恋に落ちておられて笑ったし、曲終わりで「楽屋でやれ」というツッコミに対して田北さんが「舞台上で恋に落ちなくてどうするの!」と仰って撃沈しました。面白すぎませんか。

 

 Signalさんの存在はもう長いこと存じ上げていたものの、拝見できないままここまで来たので、今回拝見できて良かった~!

 田北さんがあまりにも好みのビジュアルをしておられたので軽率にチェキを買いました。良すぎる……。



 

ゴンゾー

 イベント告知当初はまだご出演が発表されていなかったのが、ゴンゾーさんでした。テレビをほとんど見ないおたくでも存じ上げているビッグネームにわくわくが止まらないまま迎えたゴンゾーさんのステージ、1秒たりとも面白くない時間がなく、本当に笑いすぎて呼吸がままなりませんでした。

 

 このおたくでもゴンゾーさんといえば、と存じ上げているレベッカ「フレンズ」を最初に持ってきたり、最近流行したYOASOBI「アイドル」を入れたりと、構成が本当にお見事で、芸人さんは本当に凄いなと改めて思いました。

 タンバリンはもちろんのことながら、トークも面白いし、フロアに降りようとして一度諦めたあと勢いよく飛び降りて行かれたのが本当にツボで、思い出しても笑えます。戻ってこられた時にずりずりと這い上がってらしたのも面白かったです。

 

 最後の曲は存じ上げないかな……と思っていたら『YAJIKITA』で使われていた曲だったので嬉しかったです! あとこの時タンバリンが飛んでくるのがなかなかの速度で普通にびっくりしました(ちゃんと手元に戻る仕様です)

 

最上川

 最上川さんはV系演歌とのことで、どんな感じの方なのかな? とどきどきしていたのですが、ステージ上に出てこられたのが想像を遥かに凌駕するぽやぽや具合だったためツボでした。

 

 全然曲名が分かっておらず申し訳ないのですが、個人的にはJ-POPの演歌アレンジカバーより、演歌として作られている曲を歌ってらっしゃる時の方が好きでした。最後の方にやってらしたオリジナル曲のお祭り感が良かったのですが、Youtubeなどで聴けるのでしょうか……。

 

 花笠の曲、「投げるけど返してください」と仰ったのにちゃんと手元に戻ってくる仕様になっていて、何でこれが被るんだ!? と思いました。アクトを跨いで天丼はずるい。

 

 

麗麗

~セットリスト~

1.開運GOLDRUSH
(MC)
2.DERA☆GROOVE
3.喫茶ロックンロール
4.紫風流閃
5.CLIMAX CITY NAGOYA
(EN)
6.N・G・Y

 

 トリはもちろん麗麗さん。「開運GOLDRUSH」で始まるのがきんきらきんの名古屋らしくて好きでした! 現在療養中の銀さんのパネルがあったり、いつの間にか夢呂さんや諱さんの髪色が知らないことになっていたりして新鮮でした。

 

 MCを挟んで「DERA☆GROOVE」と「喫茶ロックンロール」! この辺、初心者にとても優しいセットリストだなと思いました。そんなに振付がなく、あっても分かりやすいものだけで、しかも曲調も楽しいというハッピーセットリスト、嬉しかったです。

 そしてやっぱり「紫風流閃」! 逆にこの曲は声を出すよう煽られる場面もあり、ヴィジュアル系らしい曲になってきたなあという印象があるのですが、『SAZEN2』を観た方も多い客層だったので、ヴィジュアル系らしさと親しみやすさのバランスが良いなと思いました!

 

 ラストの「CLIMAX CITY NAGOYA」で思い切り飛び跳ねて、そろそろ体力も限界に近いところでアンコール! この日の出演者の皆様がステージに集まるとぎゅうぎゅうで面白かったです。また、一言ずつ述べる場面では、Signalさんが上手と下手に分かれてしまって「Si」「gnal」さんになっていたり、TANBA様がお立ち台に立たされて朝礼のごとく客席に背を向けていたり、ゴンゾーさんがコラボ商品のアンバサダーの方にマイクを回したりと、本当に個性豊かで、だからこそこんなに面白いイベントになったのだろうなと思いました。

 最後は皆で「N・G・Y」! ステージ上がぎちぎちだったものの、スピーカーに上るTANBA様に目を奪われがちだったのは内緒です。本当にみちみちだったので視界の範囲しか見えていなかったのですが、ゴンゾーさんがラストのドラムに合わせて、お立ち台の上に置いたタンバリンを指さしておられたのが面白くて最後の方はそちらに注目してしまいました……! お立ち台で大根おろしのように擦られていたタンバリン、無事でしょうか。気になります。

 

 ラストに写真撮影のお時間もいただけて、本当におたくたちに優しいな……!? と思いました。ありがたい限りです。

 

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 「名古屋エンタメの日」というイベント、毎回TANBA様を呼んでくださるおかげで3回続けて参戦しているのですが、回を重ねるごとに楽しさが増しているので本当にすごいなと思います。今回もTANBA様を呼んでくださった紅愛さん、本当にありがとうございました!

 GWにはおたくのホームグラウンドであるナゴヤ座に紅愛さんとりょーじさんのゲスト出演、そして麗麗さんのライブにナゴヤ座から名古屋虎三郎さんと名古屋虎之助さんがゲスト出演という立て続けのご共演もあるので、どれも楽しみです!

GANKUTSU-O 2024.4.14

4/14 『GANKUTSU-O -復讐の夜明け-』昼公演・夜公演@ナゴヤ

 

 

~配役~

エドモン・ダンテス:名古屋山三郎さん(以下「座長」)

ファリア司祭/ファラオン号船員:名古屋虎之助さん(以下「トラスケさん」)

ヴィルフォール:名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)

ダングラール:名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエモンさん」)

ヴァンパ/モレル/ナポレオン:名古屋参史郎さん(以下「シロウさん」)

ヤコポ/ファラオン号船員/ルイ十八世/部下:名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)

典獄/講談師:名古屋参九郎さん(以下「サンキューさん」)

 

 久々の『GANKUTSU-O』。なかなか通えずにいるうちに、新役がどんどん増えており、今回は初めて観る配役が半数を占めていました。

 

 まずは何と言っても主役のエドモン。配信でふんわりと拝見した時からこれは凄いぞ、と思っていたのですが、実際に拝見するとやはり配信以上でした。そもそも座長のあんなお芝居を観たことって今まであったかな、と考えてしまうほど。まだ参雀久さんのエドモンを観られていないのでそちらとは比較ができないのですが、座長のエドモンは控えめで内向的な印象がありながら、自分の意志を主張しないわけではないというバランスが絶妙で、面白い人間性だなと思いました。

 今までこの作品を見ていた中でずっと引っ掛かっていた、「でも首吊りは嫌だ」という台詞。これ、台詞の順番が変で流れが悪いなと思っていたのですが、この日のエドモンを見て初めて引っ掛かりを覚えずに観ることができました。小さなところですが嬉しかった……!

 

 ファリア司祭は今週お目見えとなったばかりのトラスケさん。トラスケさんのファリア司祭は、『GANKUTSU-O』の重苦しい空気の中で一人軽やかで、エドモンにとって希望そのものだったのだろうなと思いました。クライマックス直前までずっとコミカルなキャラクタ性のファリア司祭ですが、ナポレオンの死を受けて厳しい表情になるのも、ファリア司祭の隠されていた顔が出てきたようで良かったです。

 ファリア司祭がエドモンを貴族にするための訓練の中で、「ハポン」と仰っていたのがとても印象的でした。フランス語だと「ジャポン」になるのでは……? と思ったのですが、そういえばファリア司祭ってスペイン人なのでした。その細かさ、大好きです!

 

 ダングラールはダエモンさん。ようやく観られました……! ナルシシズムと言っていいのかな……。どこまでも自分優位な面を惜しみなく晒していて、好きなダングラールでした。ダングラールの爵位が上がるにつれてか、動きが芝居がかってくる印象があったのも、爵位にしがみついて上辺だけでも取り繕おうという意識の表れのように見えて面白かったです。

 あとダエモンさん、シルクハット? トップハット? を被っている姿がとてもどこかで見た挿絵に似ていてなんだったかなあ……と首を傾げています。ぱっと浮かんだのは江戸川乱歩の「怪人二十面相」シリーズですがちょっと違うんだよなあ……。

 

 シロウさんのモレルも初めて。シロウさんはどうしても見た目の若さがありますが、その分ダングラールに対して強く出られない感じが面白いなと思いました。

 ヴァンパはしっかり親分格だったのに、ちょっと頼りなさというか、ヤコポに手を焼いている感じがして面白かったです。ヤコポとのコンビ感、絶妙に好きでした!

 今回ナポレオンではなくヴィルフォールに注目してしまったのでまたシロウさんのナポレオンが観たいです……!

 

 観たことはあったものの、全然別物になっていたのがサンエーさんのヤコポ。片目を隠したヤコポの写真はSNSでたくさん拝見していたのですが、サンエーさんのお芝居が以前拝見した際の飄々とした雰囲気のヤコポからとてもソリッドな手触りのヤコポになっていて度肝を抜かれました。ファリア司祭を刺した後に隠された目を見せるの、正直とても不便そうだけど単純に格好良くていいなと思いました。

 でもあの目が義眼とかでも面白いな……。

 

 トラザさんは今週3日新役をやっておられたのでさすがにヴィルフォール。早くモレルが観たい気持ちはありつつ、ヴィルフォールも少しバージョンアップしていてびっくりしました。

 特にダングラールが訪ねてくるシーンでは、シャツのボタンを外して腕まくりをしていたり、チーフタイを取ったりしていて、あの時のヴィルフォールはオフの姿だったのかな? と思いました。

 

 サンキューさんの典獄も当然ながら久々だったのですが、前回拝見した時よりリアルな怖さがあって良かったです。

 あと前説でこの日何故か(何故か)「Signal!」というオオムコウを練習したり、「Signalを見に行くと捕まる」というお触れがあったりして、翌日Signalを見る予定のあったおたくは密かに震えました。

 

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 この日はSNSで知り合った方も観に来てくださっていて、楽しんでいただけたようでなによりでした! 来週は休演日もあるものの、観れる公演を全力で楽しみます!

エマージェンザ 2024.4.7

4/7 「エマージェンザ・ジャパン2024名古屋予選」@栄R.A.D

 

 

 伝説の持ち時間オーバーオーディションライブから約2年。え、忍者隠密隊B.C.Aって2年以上やってる……!? と衝撃を受けつつ、新たなオーディションライブに参戦するとのことで行ってきました!

 

 到着順の入場とのことで、気持ち早めに行ったつもりが、時間の目算を間違えまくって超絶早くなってしまって初っ端から大反省だったのですが、代わりに最初から最後まで楽しめました!

 

 

 トップバッターは一原ちひろさん。この方、開場のタイミングでフロアにいた観客にチラシを配っていてとても素敵だなあという印象でした。お洋服がとても好みで、チラシをいただいた際にお洋服が可愛いとお声掛けしたところ、「お洋服大好きなんです」と答えてくださって危うく恋に落ちるところでした。

 

 ファンの方が結構いらっしゃったので後ろに下がって拝見していたのですが、可愛さ・甘さだけではないお声がとても素敵で、ご機嫌で飛び跳ねました。コール&レスポンスも簡単にできる楽曲を用意してくださっていて、嬉しかったです。初めて見る客が多い前提でセットリストを組んでくださったのかな?

 

 開演時は後半に比べかなり観客が少なかったように感じましたが、それでもしっかりと2位でこの予選を勝ち進んでおられて嬉しかったです! ファンの方も優しかった……! 終演後また6月よろしくお願いします、とご挨拶しました。

 

 

 2番手は花咲舞さん。独特の雰囲気とお声の持ち主でした。ご自身では宇宙人と仰っていたのですが、もっとご自身の世界観に突き抜けた方が面白いだろうなと思いました。

 コール&レスポンスは難易度が高かった……! あれは音源などで聞いていないと難しいなと思いました。

 

 

 続くramtanさんは神戸からいらっしゃったとのこと。ご自身の体験をリリックにしたラップ、女子のいじめの陰湿さとは違う物理的ダメージを伴ういじめを赤裸々に韻に乗せておられて、とても重かったです……。ご自身の中にあるどうしても消えない記憶の暴露、とても感情がずっしりと乗っていて良かったです。

 あとramtanさん、ご家族のことをとても大切にされていることが伝わってきて、きっと素敵なご家族なのだろうなと思います。

 

 前半の最後はTHE LOSERさん。本当に申し訳ないのながら、私の苦手な歌い方をされているバンドだったので良かったのかどうか分かりかねましたが、どんどん最前列に突き進んでいくTANBA様が面白すぎて良かったです。

 

 後半一組目はThey bloom slowlyさん。「They bloom slowly」というのはバンド名だそうで、今回はShinmeiさんおひとりでのご出演でした。

 Shinmeiさんのライブはとても心地良く、これは屋外でのんびり拝見したい音楽だなあ、と思ったら、普段は野外で活動することが多いとのこと! またどこかで拝見できたら嬉しいです。

 

 

 6組目はエイトMANさん。ステージのセッティングでコンガが出てきた瞬間楽しいを確信しました。あとこのコンガ、Supremeだったのがずっとツボでした。おしゃれだ……!

 サックスも編成に入っていて、こういうサウンド大好きだなと改めて思いました!

 

 1曲目はTikTokでバズっているという曲だったのですが、最近TikTokを入れる容量がなく見ていなかったので存じ上げませんでした……。しかし、この曲もコール&レスポンスが分かりやすかったので初めてでもちゃんとできて嬉しかったです!

 ライブが進むにつれ、ボーカルの方がフロアに飛び出していき、視界から消えたなと思ったら床で泳いでらっしゃったので大笑いしました。これはTANBA様がご覧になったら絶対やるやつだなって……。

 

 エイトMANさんは石川のバンドだそうで、まだまだ大変な中楽しませてくださってありがたいなあと思いました! 予選3位通過なので、また6月に拝見できるのがとても楽しみです!

 

 

 7番手はようやく大本命、忍者隠密隊B.C.A! 

 

~セットリスト~

1.Black Clad Assassin

(体術訓練)

2.勝歌

3.守って守って守り抜く

4.花歌

 

 1曲目はもちろん「Black Clad Assassin」! 曲の冒頭でTANBA様が仰っていた「誰よりも浮いている自信がある」「それは今に始まったことじゃない」というお言葉、それが忍者隠密隊B.C.Aの強みだと改めて思いました。「忍者隠密隊」という名を関してライブハウスで戦う以上、初めてご覧になる方は皆「忍者……?」という反応をされますが、それを吹き飛ばす力強さがあるのが良いなと思います。

 

 転換中から袖に見えていて、本当にここでやるのか……!? と衝撃を受けたのが、続く体術訓練でした。HOLIDAY NEXT NAGOYAでも少し手狭な気がするのですが、今回の会場である栄R.A.Dは更に狭い空間。どうやって風船を割るのだろうか、と思っていたら、TANBA様が梁に掴まって蹴り割ったので目から鱗が落ちました。あとHANZO様は普通に宙返りをしていてお見事でした。

 さすがに今回はステージから降りたりは……、と思っている間にTANBA様とHANZO様が横をすり抜け、フロアで風船を割ったのも面白かったです。どこでも忍者のステージになる……!

 

 体術訓練を挟んで、「勝歌」! 最近体術訓練の後は「守って守って守り抜く」のパターンが多かったので、ここで「勝歌」が挟まるのが新鮮で楽しかったです。

 「勝歌」の間奏でのTANBA様の煽りがとても熱くて好きだなあと思ったのですが、何と仰っていたのか忘却しました。「ここにいるのも意味がある」みたいなことを仰っていた気がする……!

 

 「勝歌」からまだまだボルテージを上げていく曲が「守って守って守り抜く」でした! この曲のラストでフロアに解き放たれたTANBA様が案の定(エイトMANさんのごとく)床で泳いでらして、とても面白かったしこの天丼ができるTANBA様って最高だな……とつくづく思いました。一方ステージ上にいたHANZO様は梁で懸垂をしていて自由すぎる忍者たちに腹筋がどうにかなってしまいそうでした。

 TANBA様が隣のフォロワーを守っている間、私に刀が刺さっていたのですが、「あの瞬間守られているのはフォロワーだけだからでは」という結論に達して大笑いしました。それはそう!

 

 最後に「記録より記憶に残ることが大切」という言葉と共に始まったのはやっぱり「花歌」! 今年は桜の季節に金シャチ横丁の街道ライブはありませんでしたが、桜の季節に「花歌」が聞けて嬉しかったです!

 あと多分この曲の時にHANZO様が袖から余っていた風船を持ってきて握りつぶしていたのが面白かったです。

 

 どこかで司会の方をTANBA様がステージに引きずりあげていたのもとても面白かったのですが、あれは「守って守って守り抜く」だったかな……?

 大はしゃぎして記憶がぽんこつになっていますが、この日のYUKI法師さんの梵字(ではない)がドイツの国旗だったのは覚えています。

 

 忍者隠密隊B.C.A、予選1位通過本当におめでとうございます! 応援できていること、とても嬉しく思います。そろそろドイツに行く準備もしないとな~!

 

 

 トリはアベカワズさん。王道の3Pバンドという印象ですが、曲の構成が面白くて好きでした。あとドラムの軽やかさが心地良いところがあって、良いバンドだなと思いました。

 個人的には絶対勝ち進むと思ったのでとっても悔しいです。

 

 

 前回のオーディションライブでは勝ち進めなかった忍者隠密隊B.C.Aが今回勝ち進んだのは、もちろん何回もライブを重ねたり攻めのセットリストを組めるようになったりという忍者隠密隊B.C.A側の要因も大きいと思うのですが、そこまでのライブの流れがあったからというのも大きいと思います。特に直前にフロアをあちあちにしていてくださったエイトMANさんと毎回(ちょっと適当な)MCを挟んでくださった一山楓さん、本当にありがとうございましたー!

 

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 最後に、忍者隠密隊B.C.Aのファンに対し一山さんがもっと拡散するようにと仰っていたので、以前書いた紹介記事を貼っておきます。

m328-0201.hatenablog.com

 

 ひとまずは皆様お疲れ様でした! TANBA様はもう来週ご出陣があるので、こちらも楽しみにしております!

BMK the LIVE 2024.4.6

4/6 『BMK the LIVE in 箕面劇場 7th 』第1部・第2部@箕面温泉スパーガーデン 2F 箕面劇場

 

 

 事の発端は唐突でした。BMKファンのお友達による「6日空いてる?」の言葉。箕面は実は結構近場という感覚があるので、「行く!」と即答しました。佐藤匠くんに『刃鋼』のお礼をしに行きたかったので……丁度良くて……。

 

 そんなこんなで行ってきた箕面温泉。今回知らない曲も多くセットリストを覚えることができなかったのでこの曲が合ったよと教えてもらったリストを見ながら感想を書いています。いつも以上にあやふやです。

 

 

 

第1部

 曲順は全然覚えていないのですが、「UNITE!」は最初だった気がします。グループ名を叫ぶ曲って楽しくて好きです。「Oh Eh Oh」の振り付けが楽しかったしこれもしかしたら少し前に行ったリリイベでやっていた気がします。気のせいかも……。

 

 どこで挟まったかまったく思い出せませんが、「Alright!!」はダンスが可愛かった! 振り付けを真似するのが楽しかったです!

 

 後半だったかな? 今月末で卒業する中原くんの後悔を無くすためには「アイヤどっこいしょ」しかない! というMCから「ドドンコ Don't worry」が! この曲、BOYS AND MENの武道館ライブの映像で拝見してどハマりして配信を買った曲だったのでとても嬉しかったです! コールはさすがに分からないながら、わりと身体が踊りを覚えていたので祭nine.やBOYS AND MENエリア研究生に緩く遊びに行っていた時代に見ていたのかも……。

 そこから「おばけ ばけばけ ばけがっちゃ」に。この曲はリリイベに行った際に振り付けを教えてもらっていたので、進研ゼミでやったところだ!? の気持ちになりました。

 

 あとこれも後半だったと思うのですが、驚いたのが「愛を頑張って」! この曲、実は私の中で大阪の景色と結びついています。そもそも和田アキ子さんの存在もあるのかもしれませんが、まだBOYS AND MENにハマる前に難波でBOYS AND MENエリア研究生関西がリリイベをしているのを見た記憶があるからです。だから大阪で聞けて嬉しかった〜! この曲は第2部でもやっていてご機嫌でした。

 

 「ありがとうの音。」もリリイベで聞いたりしましたか……? 「Oh yeah」に合わせてピースサインをする振り付けに覚えがありました! この曲、米谷恭輔くんの高音がいいな〜と思った記憶があります。いや、ライブ中ずっと思っていたかも。あとこの曲だったかで客降りをしていて、三隅一輝くんが丁寧に客席を回っていたのが好きでした。

 

 今回のライブで一番好きだったのが「RED ZONE」! 中原くんのラップがあまりにも良すぎる。波羅夷空却とかやってほしい。ラップをする時に声がとても低くがなるようになるのがとても好きでした。第1部が終わったあと「貴方がヒプステだよ!」と思いましたが、それがまさか第2部への伏線になるとは思いませんでした。

 

 第1部ではミニコーナーとして卓球対決もありました。少し前の箕面劇場での公演から定番となっているそうで、メンバー間で勝敗をつけてから、客席の挑戦者と決勝戦を行うというルール。

 メンバー間対決は三隅くん対匠くん、中原くん対米谷くんという組み合わせで、三隅くん対佐藤くんの勝負の緩さと対照的に中原くん対米谷くんの試合は白熱していて良い割り振りだったのでは? と思いました。

 確かここで観客席から挑戦者を募り、立ち上がったのは小学生の子供二人。一人目の子供はかなりの腕前で、米谷くんととても良い勝負をしていたのが面白かったです!

 また、最後に前回の卓球対決の覇者が客席におりエキシビションマッチを行うことに。この方、本当にお強くて凄かったです!

 

 

第2部

 お昼ご飯にたらふく食べて、ついでにお酒も飲んで迎えた第2部。

 「UNITE!」、「愛を頑張って」あたりは第1部でもあったので割愛します。

 

 第2部で一番驚いたのは、「バッシャーン!!!」でした! まだ夏じゃないよ!? と思いました。この曲も以前どこかのライブで見た記憶があって、好きな曲だなと思っていたので、ここで拝見できて良かったです。

 

 「HOME TOWN」は少し前に行ったリリイベでも拝見したのですが、また大阪を故郷にしている……と面白くなりました。実は何度かこの曲のパフォーマンスを拝見していますが、実は初めてこの曲を聞いた手羽先サミットの野外ステージで日が落ちた中照明を浴びて歌っていた風景が忘れられずにいます。

 

 「ヒカリフル」もとても聞き覚えのある曲。あれ、客降りってこの曲だったっけ……? うろ覚えです。BMKの声のハーモニーが綺麗だな〜と思った記憶があります。

 

 「TOP OF TOP」は初めて聞いたかも! ハイテンポで楽しかったです! この曲もラップがあって、中原くんの低音から急にアイドルらしいパートが入るのが面白くていいなと思いました。

 

 最後の「RED ZONE」は第1部でも拝見していたものの、普段松岡拳紀介くんが担当しているパートも含めてほぼすべてのラップを中原くんが担当しているところを見られて本当に良かったです! 本当にこれを見られただけで箕面に来た甲斐がありました。

 

 第2部はミニコーナーが2つありました。

 一つ目のコーナーは「ありがと感謝ゲーム」(多分)。中原くんがラストの箕面温泉なので、隣の人に「ありがとう」と言いながらBOYS AND MENの吉原雅斗くんのテディベアを回していくというゲーム(吉原くんも緑色だから……?)なのですが、何故か私の列に殆ど人がおらず、私のところは匠くんが仲介していきました。浴衣で走らなくて済んで助かった……!

 

 もう一つのミニコーナーはラップ対決。今回は中原くん対他三人という三本勝負だったのですが、中原くんが見事全勝していて格好良かったです。個人的には匠くんの「なかは~らくん」という謎ラップがお経めいていて好きでした。このコーナーで松岡くんの話題が出て、三隅くんが確か「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem-+」の山田二郎のパートを真似していて、それが絶妙に松岡くんと山田二郎のフレイバーを持っていたのが面白くて大笑いしました。

 三戦目の中原くん対米谷くんのラップ対決、特に思い出がたくさんのリリックなんだろうなと思えて好きでした。自転車の話からの「チャリで来た」、とても面白かったです。

 

 

 今回匠くんへの『刃鋼』のお礼のつもりで箕面を訪れたのですが、『刃鋼』の鈴村新兵衛がずっと険しい表情をしていたため、違う表情を見てとても不思議な気持ちになりました。誘ってくれたお友達には逆だと突っ込まれました。それはそう。でも「BMK佐藤匠」を見ることができて良かった~!

 

 

 次にBMKを見るのはいつかわからないし、もしかすると5人揃っているところはもう見られないかもしれないけれど、今後の活躍もそっと見守って行きたいなと思いました!

 

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紫風流閃 2024.3.31

3/31 麗麗-reirei-コンセプトワンマンライブ「紫風流閃」@今池3STAR

 

 

 2月に上演された極上ナゴヤカブキ『SAZEN2』の際の衣装に麗麗さんが身を包むと聞き、恐怖の年度末作業を打ち倒して(打ち倒せていませんが)今池に行ってきました。

 

~セットリスト~

1.紫風流閃

2.化物

(MC)

3.N・G・Y

4.開運GOLDRUSH

5.DEADMAN

6.喫茶ロックンロール

(食料調達)

7.えらいもんで

(MC)

8.CLIMAX CITY NAGOYA

9.ラブレイド

10.タマシイデイズ

(EN)

11.DERA☆GROOVE

12.雷名-RAIMEI-

(写真撮影)

13.紫風流閃

 

 今回はコンセプトワンマンライブのタイトルの通り「SAZEN」シリーズをテーマにしたライブ。そしてゲストに名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)もご登場とのことで、いつもの麗麗さんのファン層の中にナゴヤ座のおたくたちが混ざる面白い空間になっていました!

 

 

 いよいよライブが始まるというところで、突然聞き馴染みのある声が。なんと『SAZEN2』最初の、名古屋参九郎さんによる講談SEでした! これ、本当にナゴヤ座と麗麗さんの距離が近くなったのだなあと思えて嬉しかったです。

 開幕と共に始まった「紫風流閃」、2月3月で麗麗さんがライブを重ねる中でフリや盛り上がり方ができあがっており、1曲目からわくわくしました! また「紫風流閃」ではファンの皆様がペンライトを紫にしてらして、うっかり開演前に麗麗さんの公式ペンライトを買い損ねたおたくは少し悔やみました。次も開演前には買えなさそうなのでキンブレに薄紫を仕込みます。

 1曲目が「紫風流閃」なら、当然のごとく2曲目は「化物」。喉が復活した紅愛さんの「化物」が聞けて良かったです。あと最初の2曲で『SAZEN2』が始まって終わったのが面白くて少し笑ってしまいました。

 

 いつもの自己紹介では、いつものように紅愛さんにオオムコウをかける場面もありました。ナゴヤ座のファン層にはオオムコウはお手の物なので、麗麗さんに慣れていなくても「よっ、紅愛!」はできたのでは? と思います。

 余談ですが、近藤りょーじさんが夢呂さんの自己紹介の前に「(汗が)ばーばーのバーバパパ」と仰ったのがあまりにも面白くて、夢呂さんのお決まりのご挨拶「こーんばーんは!」ができませんでした。

 

 ここから「N・G・Y」、「開運GOLDRUSH」というお馴染みの曲選が続き、おたくも大いにはしゃぎました。ペンライトの色の指示でもしかして! と予想できる2曲ではあるのですが、それはライブの定番ということ。私のようなゆるゆると拝見しているファンでもしっかりフリができる曲があって嬉しいです。

 また、続く「DEADMAN」はライブで拝見するのは初めて……! XにてMVを紹介なさっていたのでやるんだろうなと思いつつ、MVを数回拝見した程度だったのでライブだとこうなるのか! と新鮮に驚きました。またこの曲の時の紅愛さんがとても治安が悪くて良かったです。

 ここから「喫茶ロックンロール」に移ったところでゲストのサンスケさん……改め、相馬大膳亮様(以下「大膳様」)のご登場!

 本編では再び丹下左膳に斬られた大膳様でしたが、謎時空での復活で、後夜祭の延長戦という雰囲気が嬉しかったです。おたくなので本編後のごちゃごちゃ時空って好きです。あと後夜祭では大膳様は歌っておられなかったと思うので、メインで歌われるところが多くてお忙しい中更にパワーアップしてらっしゃる……!? と衝撃でした。

 

 大膳様は1曲歌ってお腹が空いたとのことで、フロアという名の大海原で魚釣りをすることに! 竿がない、という『SAZEN0』お決まりの展開に対し、りょーじさんが「竿ならあるよ!」と本物の竿を出してこられて大笑いしました。

 ナゴヤ座での餌は手書き缶バッジとオヒネリでしたが、今回の餌はこの日麗麗さんの物販に出ていた城ガチャSAZEN2 ver.。りょーじさん、夢呂さんと釣りをなさったのですが、お魚に逃げられてしまい、(この時に限り)特技が「マグロを1本釣ること」になった紅愛さんが最後に後方を狙って釣ることに。りょーじさんが「魚群が!」と仰ったのに対して「魚群リーチじゃん」と笑っていたら目の前に餌があって驚きました!

 

 食料が手に入らなかったことに腹を立てた大膳様の怒りに呼応するように、次の曲は「えらいもんで」! この曲、とてもハードなのですが賑やかで好きです。大膳様がご立腹なので、途中の「えらーい!」に合わせてジャンプをするところで、我々魚が「……わ〜」と釣られることに。あまりの大漁に大膳様のご機嫌も無事直り一安心でした!

 

 にこにこで大膳様がお帰りになったところで、「大膳様もやばいが乱同もやばい」という話題に。また、諱さんからは六灸に一日中振り回されていたという被害報告もありながら、それでも六灸のファンサを奪い合ったそうで面白かったです。

 

 MCを挟みライブもラストスパート。「CLIMAX CITY NAGOYA」「ラブレイド」の2曲はペンライトありの曲。「ラブレイド」っていつの間にか赤色を振ることになっていたんですか……!? 幸い赤色は用意があったので赤色を握りしめながらIジャンプを繰り出しました。

 ラストの曲は「タマシイデイズ」。この曲、入る前にいつも紅愛さんのお話があるのですが、今回突然その場にいない名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)へのラブレターが始まって面白かったです。と、同時に、本当にいろいろなところで人を誑し込む推しだなあと改めて思いました。

 

 「タマシイデイズ」が終わり、ライブも終わり……にはさせられません。本日のアンコールの二択は、紅愛さん発案の「トラザかTANBAか」……ではなく、「紫風流閃か化物か」。トラザさんのTANBA様ならトラザさんですが、トラザさんと百地様だったら決められないところでした。

 

 無事アンコールを迎え、再び登場の大膳様と共に「DERA☆GROOVE」! この曲、何故か『乱舞絶刀-外伝-』の際にMV撮影があったため思い入れも深めなこの曲。こういう賑々しくて楽しい曲って大好きです。

 

 「DERA☆GROOVE」の後、刀を所望する大膳様のため麗麗の皆さんがおひとりずつ献上品を持ってきたものの、どれも刀ではなく大膳様のお眼鏡に適いません。最後に紅愛さんが紫風流閃を持参し、左膳のごとくお目通りを願い、再び野心を露わにした大膳様を紅愛さんが斬り捨てるという流れからの「雷名-raimei-」! ここ、本編後の謎時空でも結局同じ構図から逃れられない大膳様も面白かったのですが、「DEADMAN」で蘇った大膳様をもう一度葬る構図ってこと……!? と深読みおたくをしました。気のせいです。「雷名-raimei-」はようやく落ち着いた情緒で拝見できて、地縛霊が浄化されました。良かったあ。

 

 ラストにもう一度、大膳様を蘇らせて、皆一緒に「紫風流閃」! 4月にもサンスケさんの別名義でのお歌を聴く機会があるものの、今回こんなに聴けてしまって良いんですか……!? と思いました。

 

 最後にはなんと撮影タイムが! 紅愛さんとサンスケさんが握手を交わしているところをしっかり収めることに成功しました。が、前方の方々が腕を上げて写真を撮っておられたので両サイドはあまり見えず……! 妙なところで文化の違いを感じました。あと握手は『乱舞絶刀』の初回で紅愛さんとTANBA様がやってらした記憶がふと蘇って面白かったです。すぐ条約締結する……!

 

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 今回のライブは「SAZEN」コンセプトということで、スペシャルゲストにサンスケさんがおられましたが、今後もいろんな座員さんとコラボしてくださったらおたくとしてはとても嬉しいなと思いました!

 という記事を書いている間に、とんでもないイベントが告知されていました。やった~~~~!!!!

 

 4月・5月と連続で麗麗さんを拝見できるので、次回も楽しみです!

刃鋼 2024.3.23-2024.3.24

3/23 山将舞台企画『刃鋼〜HAGANE〜』昼公演・夜公演@名東文化小劇場

3/24 山将舞台企画『刃鋼〜HAGANE〜』@名東文化小劇場

 

 

 水曜日から始まった『刃鋼』ですが、あっという間千穐楽。土日の3公演を観劇してきました。

 今回は土日の感想といいつつ全体の感想を多めにまとめていきます。

※まとまりません

 

〜配役〜

佐々木翔太郎:名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)

鈴村新兵衛:佐藤匠さん(以下「匠くん」)

千代枝:綾瀬麗奈さん

佐々木多恵:川村昇子さん

蛇足(山雅貞彦):名古屋山三郎さん(以下「サンザさん」)

太吉:渡部将之さん

初音:元山未奈美さん

花屋敷風流:岩崎真さん

番頭:山本のぼるさん

又八/みさき屋の大将:佐治なげるさん

工藤甚六:渡辺一正さん

玄之介:宮谷達也さん

門倉仙:八代将弥さん

河村作治:宮田せいじさん

松田:村井雅和さん

吾郎:山口雅也さん

丸眼鏡:岩男考哲さん

権三郎:加藤正さん

カヨ/お七:柳澤柚月さん

お由:射場心々美さん

お菊:倉地佑奈さん

アクションアンサンブル:南勇大さん・加藤大輔さん(以下「だいちゃんさん」)

 

 

 

 

翔太郎のエゴイズム

 私が『刃鋼』で一番好きなもの。それが翔太郎のエゴイズムでした。

 翔龍館は確かに庄内藩預かりになりました。その功績は実際のところ翔太郎が戦に出たことへの褒美でしかなく、それを翔太郎も本当は理解しています。理解した上で門下生たちに対して「皆の力でここは庄内藩預かりとなった!」と言うのは、新選組への憧れが強いからだと思いました。新選組は強さで壬生浪士組から会津藩預かりの新選組に名を変えた(と私は思っている)ので。翔龍館が認められたと信じたかった、という方が近いでしょうか。だから、庄内藩邸の護衛など命じられていないにも関わらず守らなければの一心で勝手に動いているのだと思いました。それがとてもエゴイスティックで大好きです。

 また、口では門下生たちを褒めながら、本心では弱くて守らなければならない存在であると考えている。それはとても傲慢で人間らしいなと思います。傲慢さといえば、松田を拷問して血まみれになっている翔太郎が、自分がしていることは正当であるにも関わらず弟子のくせに歯向かうのかと言わんばかりに門下生らを投げ飛ばしているところも傲慢で大好きでした。

 この正太郎のエゴや傲慢さは(我々おたくが抱く)トラザさんのイメージとギャップがあるからこその良さだったと思います。普段おたくは「まっすぐで堅気な男」の面ばかり見せていただいているので、トラザさんに人間らしさを感じることができて嬉しかったです。

 

 

翔太郎と新兵衛

 翔太郎と新兵衛の関係性もずっと好きでした。

 まず最初の門下生らの喧嘩のシーン。ここ、門下生に翔太郎がヘラヘラしているところを見せると共に観客の予想を裏切るシーンでもあったなと思います。フライヤーやOPでは寡黙で厳しい印象があったため、一度ここで「翔太郎って明るい人なんだな」と思わせられた気がします。その中でも、危なっかしい新兵衛にはしっかり釘を刺している。その緩急が面白かったし、ヘラヘラしているだけではないところが描かれていて好きでした。

 

 次に道場破りのシーン。このシーンは新兵衛の鋭さが光っていて好きでした! いつものようにヘラヘラして見せる翔太郎に対し、一人翔太郎の嘘を見抜くことができる新兵衛。これが後に庄内藩に突入した際に新兵衛だけを連れていくことに繋がったのかもしれない、と思いました。

 このシーンの翔太郎、「この道場はな、弱いんだよ」「己に力がある思うな」など、とても厳しいことを言いますが、最後に諭す「わかったな」の声音が柔らかく、兄としてこんな風に多恵にも諭すことがあったのだろうか、と思いました。一方新兵衛は翔太郎に弱さを突き付けられて、不服そうにしているところが新兵衛の性格に対する理解を深めさせてくれて好きでした。

 

 そして、翔太郎の行き過ぎた正義感が露呈する松田拷問のシーン。ここの新兵衛、翔太郎を松田から引き剥がした時に手に血がついて愕然としているのが良かった……! 普段から人を斬っている可能性は考えていても、実際に目にするのは衝撃の大きさも全然違うということがひしひしと伝わってきました。尊敬している先生が残酷なことをしている。返り血を浴びている。そんな先生を引き剥がしたのだから、当然自分の手にも血がつく。新兵衛にとって初めて死や戦を身近に感じた瞬間だったのではないかなと思いました。

 それでも新兵衛をはじめ翔龍館の門下生らが翔太郎について倒幕派に対抗する方向に舵を切るのはやっぱり時代性なのかな、と思いました。最後のチャンスだし(この辺りの話は初日の感想で話しています

 そういえば翔太郎が新兵衛の刀を抜くところが、台本では二人が刀を交えることになっていて、演出で変わったのかな? と思いました。公演時の演出の方が二人の力量が歴然としていて好きです。あとここ、自分の門下生相手に膝を叩き込んだり張り倒したり、翔太郎が大暴れしていて、普段ヘラヘラとした顔で隠している凶暴さが出ているのが良かったです。

 

 庄内藩邸では翔太郎と新兵衛だけ別行動。これ、その前の「先生の志の、お供をさせてください」という言葉を受けて翔太郎が新兵衛のことを認めたのだなと思いました。実戦に出て銃の脅威を知った翔太郎が、門倉一派の銃弾の雨の中を、それでも前に進むことができたのは絶対に新兵衛の言葉のおかげだと思っています。翔太郎が鉄砲に負けないところが見られて、昔新選組側の目線で鉄砲に絶望したおたくが少し救われました。

 翔太郎が最期に新兵衛に言った言葉、台本を読めば分かるかしら、と思ったのですが、書かれていなかったのでいくらでも想像できちゃう。現地で見た感じでは「頼む」くらいの短さだったので、いつか答え合わせをしたいです。

 

 千穐楽のトリプルカーテンコールで、最後に捌ける時に下手袖でトラザさんが「たしカニ」のポーズをしたのを見た匠くんが真似をしてくれたのがとても嬉しかったので今度お礼を言いに行きます。が、『刃鋼』の感想は10秒程度では絶対に言い尽くせないので多分トークポートがあれば軽率に行く予感がします。

 

 

翔太郎と太吉

 X(旧Twitterでもずーっと言っている『刃鋼』で大好きだったコンビがこの昔馴染みコンビ。余りにも好きだったので、いつの間にか手元に渡部さんのチェキがありました。

 

 翔太郎と太吉のやり取りってとても温かくて、一瞬で幼少期に戻ったような空気になるのが好きです。幼い頃からしばしば翔太郎と太吉が玄之介の元を訪れていたのだろうし、そのまま太吉が弟子入りしても翔太郎がしばしば遊びに来ていたのだろうな、と想像する余地があって良い関係性でした。だからこそ、翔太郎と太吉も幼い頃のままの関係性を崩さないようにしていたのではないかなと思いました。

 

 翔太郎の死について、太吉は翔龍館の面々を責めますが、その実自分を責めていたのではないかと思います。もちろん、翔太郎を守ることができる人がいたとすれば、それは共に戦場に出ていた彼らのみです。でも、もし太吉の刀鍛冶の腕前がもう少し高ければ、翔太郎に渡すに値する刀が打てていたかもしれない。そんな悔恨はあったのではないかなと思います。

 

 これは幻覚ですが、翔太郎は元水戸藩士で苗字がある武家階級、太吉は苗字がなく鍛冶屋なので庶民ということは、幼少期身分の違いがありながらも二人で村一番の悪ガキをしていたのか……という風景を想像して、そういう裏話がたくさん欲しくなりました。宮谷さん、何とかなりませんか?

 

 

翔太郎と玄之介

 翔太郎を子供の頃のままだと信じたい(ように見える)太吉とは対照的だったのが玄之介でした。彼は腕利きの刀鍛冶としてきっとたくさんの人斬りを見てきたのだろうと思います。それこそ蛇足もそうですが、きっと蛇足以外にも玄之介の腕を見込んで訪れる人斬りはたくさんいたはず。だから翔太郎の歪みにも気が付いていたのだろうと思いました。

 

 翔太郎が刀を依頼しに来た時、玄之介が「金はいらない」と『初心』を預けてくれるのは、言葉の通り「良い話を聞いたから」というのもあると思いますが、自分が長くないことも理解していたからなのだろうなと思いました。もし玄之介がまだ刀を打つことができて、それが蛇足に授けた妖刀を上回る出来であれば、蛇足ではなく翔太郎に自分を斬るよう頼む未来もあったのかもしれないし、翔太郎ならひょっとすると斬ってしまうこともあるのかな、と思いました。

 

 

翔太郎と蛇足

 この二人の関係性、理解するには知識が足りなくて難しかった……! 二人は以前戦場で出会っていて、仲間ではない。そして蛇足が天狗党の生き残りということは、二人が出会った戦場というのは天狗党の乱なのかな? 元々翔太郎が所属していたという水戸藩尊攘派の印象があるのですが、天狗党の乱についてわからなさすぎてWikipediaに聞いたところ、反乱側も鎮圧側も中心となっていたのは水戸藩士のようだったので、翔太郎は鎮圧側の水戸藩士、蛇足は反乱側の天狗党だったのかな……。

 蛇足も翔太郎のことを知っていたようなので、二人とも戦場で手練がいると噂になっていて、認めていたのかなと思いました。立場が同じであればきっと良い同志になれていたのかもしれないな……。蛇足はもはや思想には興味がなく、降りかかる火の粉を払っているだけだったので、門倉に取られなければ……と思ってしまったのは許されたいところです。

 

 翔太郎は門倉一派に蜂の巣にされても倒れず前に進み続けましたが、同じ刀工の作の刀に『初心』を折られてしまって、負けたことを理解してしまったのだと思います。だから、最後の一刺しを抵抗せず受け入れることになったのだと感じました。それがとても悔しいような、逆にほっとしたような、剣豪としての矜持が守られたような気がしました。

 

 初日、OPで舞台上に人がひしめき合っている中お二人のバチバチの立ち回りがあると思わず、「えっ」と声が漏れそうでした。他の方も動いている中でお二人だけが違う動きをしているというのはとても難しそうですが、それを可能にする舞台上の管理が素晴らしかったです。

 

 

翔太郎と諏訪栄三郎

 諏訪栄三郎はナゴヤ座の演目「SAZEN」シリーズのキャラクター。こちらもトラザさんが演じておられた剣豪ですが、二人とも道場で剣術を学んだ人物でありながら印象が違って面白かったという話です。

 

 栄三郎が生きた時代は、幕府による泰平の時代です。だから、(魔剣に操られる前の)栄三郎の戦い方はとても正統派で、道場で学んだ剣術という印象が強くあります。同じように道場で剣術を学び、道場を開いている翔太郎ですが、彼は実戦に出ているからか平気で蹴りを入れる姿が印象的でした。

 

 『刃鋼』では「強い武士にまともな奴ぁいねえ」と言われていましたが、やはり栄三郎にもまともではない面があったのだろうか、鉄斎には……、と改めて「SAZEN」シリーズについて考えるきっかけにもなりました。

 

 『刃鋼』と「SAZEN」シリーズはキャッチコピーからして似た系統の物語になるのだろうかと思いながら、今回『刃鋼』に足を運んだのですが、『刃鋼』は歴史創作の面が強く個人的に好みでした!

 

 

翔太郎と門倉

 翔太郎は、庄内藩に取り立てられたことをよすがに頼まれもしない藩邸護衛の任に勝手に就いているし、門倉は薩摩に鉄砲を流したという一商売をよすがに薩摩が自分を守ってくれると思っているところが本当に小さくて大好きでした。きっと両藩主は勝手に戦をされて迷惑だと思う……。

 

 門倉、翔太郎の挑発に簡単に乗ってしまうし、いくら鉄砲を打ち込んでも何故か翔太郎は倒れず向かってくるし、頼みの綱の蛇足は庄内藩士ではないからと動いてくれないし、怖かっただろうな……。

 翔太郎が銃に負けないところが大好きなので、千穐楽で『初心』が門倉の銃に当たって折れてしまってとても悔しかったです。『初心』が銃に負けたことで、他の回で蛇足に折られた時よりも与えられた絶望が大きかったし、刀が銃に勝てないと突きつけられてしまって悲しかった……!

 

 

翔太郎と初音

 翔太郎と初音の関係性に甘さがないところ、大好きでした! 初音が女性であるまま浪士として活動するってきっととても大変だったと思います。それでも佐幕のため翔太郎と対等な同志として肩を並べて戦っているのが良いなと思いました。

 

 翔太郎が門下生らと揉め緊迫しているところに初音が来るシーンで、翔太郎の手が「黙れ」という度に固く握りこまれていくところが大好きでした。翔太郎の不甲斐なさ、認めたくない弱さ、後ろめたさがすべて現れているように見えました。あとここ、「黙れ」と言われて本当に黙る初音が大声を出されてびっくりしたような顔をしているように見えて、多恵や門下生らも見たことのない顔を見てきたはずの初音もあの翔太郎は初めてだったのだろうかと思いました。

 

 意外だったのが、翔太郎の死後、翔太郎に打ち込まれた弾から刀を打って欲しいという新兵衛に対して否定的な態度を取るところ。初音は新兵衛と共に刀を打つべきだというスタンスかと思ったのですが、「わかんないでしょ、もう死んでんだから」と言い出した時に、初音は初音で翔太郎を支えとしていて、それが失われてしまった悲しみが深いのだろうなと思いました。

 

 余談ですが、翔太郎の死後初音が翔龍館の面々と稽古をしているシーンで、初音が翔龍館のやり方に合わせているのが好きでした。きっと翔龍館の基本の稽古は翔太郎や初音が剣術を学んだ道場でやっていたものなのだろうな……。翔太郎がいなくなっても教えが残っているのが良かったです。

 

 

新兵衛と蛇足、二振りの怪物

 初日以降の新兵衛の感想としては、個人的には土曜夜の蛇足に対する「お前が決めることじゃない」が大好きでした。怒りに突き動かされている回も好きなのですが、この回は泣きそうな顔に見え、翔太郎への追悼なのだと思いました。

 『刃鋼』を通じて、玄之介の打った「怪物」は人を斬る道具として、太吉の打った「怪物」は人を守る道具として描かれていると思います。太吉の打った刀は蛇足を斬ったものの、新兵衛はその後人斬りにはならず、道場を守っていました。だからあのシーンは「怪物」を握っても人斬りになるとは限らないという証左に他ならず、それは玄之介や蛇足に対する反抗心であるとも思いました。

 

 蛇足のラストはもう見事の一言に尽きました。初日「まさか階段落ちはしないだろう」と思った一番の理由が、階段下のスペースの狭さ。初日に拝見した時は客席まで落ちてきてしまうのではなかろうかと思ったのですが、さすがの身体能力でぴたりと止まってらして何度観てもわくわくしました。蛇足についても別の項でゆっくり述べたいところです。

 

 

新兵衛と太吉

 『刃鋼』の主人公はこの二人だと思っています。どこかで新兵衛と翔太郎がW主演という話を見た気がしたのですが、私は新兵衛と太吉だと思います。『刃鋼』は翔太郎から新兵衛へ、玄之介から太吉へ継承していく物語だったし、二人が師匠の意思を守る物語だったと思います。

 

 太吉は玄之介と翔太郎という替えの効かない存在をほぼ同時に失っています。だから翔太郎を失ってなお立ち上がらなければ、と足掻く新兵衛よりも太吉の方が強く無力さを感じていたように見えました。

 

 ラストでお二人が呼応するように声を上げて刀と槌を振り下ろしたのも好きでした! ひょっとしてOPも呼応している……? と思ったのですが、もしかして、と思ったのが千穐楽だったので確認できずにいます。今すぐ円盤か配信が欲しい。

 

 主演コンビのチェキを並べるのも良いなあと思ったのですが、匠くんのチェキは本人がInstagramのストーリーズでも枯らすように呼び掛けていたこともあり大人気で、ファンの方が買えた方がいいな……と思ってやめてしまいました……。が、帰宅してから、1月に匠くんとチェキを撮ったことを思い出したので実質新兵衛と太吉ということで処理しました(?)。

 

 

鈴村新兵衛と佐藤匠

 大仰な小見出しになってしまいました。

 匠くんが所属するグループ、BMKはBOYS AND MENの弟分にあたります。BOYS AND MENを追いかけていれば必ず聞くのが「夢は諦めなければ必ず叶う」という言葉。私は新兵衛を観ながらこの言葉を思い出しました。

 太吉の元に翔太郎の遺体を運んだ時、他の皆は立ち上がるための支えを失っていました。風流の「負けてんだろ、とっくに」の台詞の通り、翔太郎が勝てないのであれば蛇足に勝てる可能性は低い。その中で一人立ち上がろうしていたのが新兵衛で、「負けのままでいいんですか?」という台詞を聞いた時、匠くんだからこそ出せる色を感じました。

 BMKって、BOYS AND MEN研究生から半数が祭nine.としてデビューしてなおBOYS AND MEN研究生に取り残された、苦しい時代を乗り越えた力強いグループだと思っています。いろんなことを乗り越えて生き残り続けた諦めの悪さが、新兵衛に乗っている気がして、「アイドルの佐藤匠」という土台があるからこそ板の上で生きる「鈴村新兵衛」という存在の質感が増していたように感じました。

 

 

蛇足と千代枝

 翔太郎と初音の間に恋愛感情が描かれないことと対照的に、蛇足と千代枝の関係は深い情で繋がったものだったのが面白かったです。

 

 蛇足は千代枝に対しあまり気のないような素振りを見せるものの、千代枝が身籠ったことを知る前から千代枝を身請けするために門倉に手を貸す選択をしていて興味深いなと思いました。子供ができたから責任を取るわけではなく、自分を「蛇足」ではなく「山雅貞彦」として見ている千代枝のことが気に入っていたのだろうな……。

 千代枝は千代枝で、吉原を出るため男の相手をする一方、蛇足に対し子供を理由に迫ることはなく、一人ででも子供を守っていこうとする強さが好きでした。あれ、もしかして蛇足から千代枝への継承の話でもある……?

 

 

玄之介と蛇足

 この二人の関係性も面白いなと思いながら観ていました。蛇足が振るう刀も、蛇足が折った刀も玄之介の打ったもので、この物語に玄之介は必要不可欠だったのだなと思います。

 

 玄之介は自分の先が長くないことを感じ取って蛇足に斬るよう懇願するわけですが、あの場面で蛇足が「逃げるのか」と返すのが意外でした。蛇足が傑作を手に入れて人斬りとして生きていくことになったように、玄之介も自分の手で人を殺す道具を作り出していくことにしんどさを感じていたのかもしれないな……。

 

 ところで、昔馴染みが玄之介の弟子である翔太郎はともかく、縁もゆかりもない蛇足がわざわざ刀を買いに来て、メンテナンスまで依頼してくる玄之介の刀鍛冶としての腕の良さ、どこまで広まっているのかとても気になります。

 

 

翔龍館門下生

 翔龍館の門下生の三人組、甚六・風流・作治は見れば見るほど愛おしさが増していくポジションでした。

 

 甚六は視野の広さがあって、風流や作治が気が付いていない翔太郎の秘密の存在を感じ取っています。視野の広さという点では火事のシーンで甚六だけがみさき屋の大将に挨拶をしていたのも好きだったのですが、ちょうど拝見できなかった平日の回でアドリブのタイミングを失敗したと、サンザさんと渡辺さんのYoutube「モラトリアム道」でお話されていて、うまく行った回を観たのだな……と思いました。

 また、二回目の稽古のシーンで甚六が刀を振り下ろした瞬間綺麗な「ヒュン」という音が鳴って少し笑ってしまいました。甚六、きっと剣術を学んで長いのにあんまりセンスがないタイプなのだと思います。

 

 作治は自分の敵わない相手に嫌がらせをする器の小さな男ではありますが、それも翔太郎を慕うが故だったのだと思います。また、弟弟子でありながら自分より翔太郎に認められている新兵衛を疎ましく思う一方、その強さを認め信じていたところがとても愛おしい人物でした。

 翔太郎の遺体をどうするかというところで、「供養してやるべきじゃねえの?」と言えるまともさが作治の弱さをよく表している気がして好きでした。宮田さんのお名前はちょくちょく拝見していたのですが、またお芝居拝見したいと思いました!

 

 風流はずっと一歩引いたところで見ていて、翔龍館の中で一番冷静な人物であったと思います。ただ、風流は冷静である分、本気になることができないタイプのように感じました。それが、翔太郎の死を経てどんどん感情が露わになって、本気で新兵衛を殴る様子がぐっと来ました。

 それにしても「花屋敷風流」ってお名前が良すぎる……! そのお名前は自分で名乗り始めたんですか? まさか本名ではないと思うのですが、その名前を名乗ることになった経緯が本当に気になります。個人的にはお名前の字面を見ていると沖田総司の辞世の句(「動かねば 闇にへだつや 花と水」)が頭を過ぎります。

 

 

門倉一派

 『刃鋼』を観たおたくたち、だいたい皆門倉一派のことが好き。だってキャラクタの個性が強すぎるから。

 

 門倉は本当に面白い人だったなと思います。まずあの風貌の異様さ。幕末の世で刀も持たず洋装にピストルという姿もそもそも目立つのに、八代さんを介して出力されていた門倉という男は身に纏う空気が妙に寒々としていたように感じました。

 であるにも関わらず、妙に律儀なところがあって、ちゃんと蛇足には一度報酬を払って解放しているし、薩摩藩に見捨てられることはあっても)部下のことは大切にしている。バランスが本当に良かったです。千代枝を盾に蛇足を動かしながらも特段見張りをつけるわけでもなく、甘さがあるのも好きでした。

 

 松田はとても可愛くてツボでした。松田は門倉の腹心ですが、何とも言えない小物感がずっと漂っているところが本当に好きです。初めて蛇足の元を訪れた時も刀を向けられてわたわたしているし、翔太郎に見つかる寸前には財布を調べようとしているし、結局捕まえられてずるずると引きずられて行くし……。拷問にかけられて計画を白状するところも松田らしくて好きです。でもきっと松田はあの後失血で死んでしまったのだろうな……。

 松田は門倉に憧れて着いてきたのだと思っているのですが、あまり銃の扱いが得意ではなさそうなのがまた愛おしいキャラクタでした。

 

 黒岩と柳は、自分で着いてきた(というイメージですが)松田と違い、どちらかというと腕を見込まれて雇われて、そこからだんだん門倉に惹かれていったような気がします。南さんとだいちゃんさんの若者らしさがいいスパイスになっていて、門倉一派に花を添えていたように思います。

 ところで黒岩は足を斬られただけで生きているとだいちゃんさんが仰っていて、じゃあ黒岩は戦闘に参加できず一人置き去りにされてしまったということ……? と震えています。隠れ家の中で火事の音を聞いて戦が始まったことを知って、火事が収まっても帰ってこない仲間たちを待ったりしたのかな……。

 

 

千代枝と三人娘

  千代枝と禿の三人娘の関係性もとても好きでした。三人は千代枝の下禿として働いているからか、蛇足に対して物怖じしないところが良かったです! 蛇足自身が禿に対し酷い扱いをしていないということもあると思うのですが、町で蛇足を見かけても平気で話しかけに行くことができる関係を築いていて可愛かったです。

 また、千代枝が身籠っていることを善意で言ってしまうのも、千代枝が蛇足には秘密にしておこうとしているのを汲むのも、皆が優しくて良いなあと思いました。

 

 また、みさき屋では町娘に姿を変えて登場しますが、土曜日の公演で謎ジェスチャーで盛り上がっているお三方を観てしまってからずっと翔龍館の面々よりそちらに視線が奪われてしまってずるかった……! カヨ、毎公演不思議な名乗りポーズで面白かったし、千穐楽で客席から自発的に拍手が起こった時の表情がとても良くて今後が楽しみだなと思いました!

 

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 一週間かけてちまちまブログを書き続けて、だいたいこの記事が1万字なのですが、ちーっとも書き足りていない気がするし、今後もまだまだ感想や幻覚をSNSで吐き出す予感がしています。たった6公演しかないにも関わらず4公演しか拝見できていないことが悔しいくらい素敵な作品で、毎公演笑って泣いてができることがとても幸せでした! またこの制作陣の作品が観たいので、第二回公演もお待ちしております……!