11/15 『SAZEN0』夜公演@ナゴヤ座
11/18 『SAZEN0』昼公演・夜公演@ナゴヤ座
11/19 『SAZEN0』夜公演@ナゴヤ座
〇11/15
~配役~
・小野塚鉄斎:名古屋虎之助さん(以下「トラスケさん」)・諏訪栄三郎:名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)
・弥一郎:名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)
・道場破り/月丸:名古屋参雀久さん(以下「サンジャクさん」)
・影丸/相馬大膳亮:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)
・新井半兵衛:名古屋参九郎さん(以下「サンキューさん」)・金子辰之助:名古屋参十郎さん(以下「ジューローさん」)
この日はトラザさんの新役! お待ちかねの栄三郎でした。トラザさんの栄三郎は当然ながら9月の極上ナゴヤカブキ『SAZEN』ぶりに拝見したわけですが、その間の記憶が濃すぎて3年前くらいな気がする、と仰っていて確かに……と思いました。あんなに通っていた「YAJIKITA」シリーズも遠い過去のような気がしています。
トラザさんの栄三郎で好きなところが、魔剣に操られている時の殺陣で刀に引っ張られる動きをするところだという話は再三したと思うのですが(してないかもしれない)、なんとこのぽんこつ、違う栄三郎を見続けている間に(というか『ヒモのはなし』に脳の全メモリを使ってしまっている間に)すこんと抜け落ちてしまっていたらしく、この日拝見していて「これだった!」と思い出して改めて衝撃を受けました。これが好きなんだ~!
あとジューローさんだと天然ボケ、サンスケさんだとツッコミの印象がある栄三郎が、トラザさんの元に戻って来ると謹厳実直になるのが、ナゴヤ座の面白いところだなと思いました。まあこの真面目すぎる栄三郎が大本なんですが。
トラザさんの栄三郎の言動の端々に弥生への気持ちが滲みだしているのも『SAZEN』の栄三郎ってそうだったな、と思い出すことができて面白かったです。『SAZEN』を観ながら『丹下左膳』を読んでいたおたくなので、栄三郎が弥生のことを大好きだとふふ……と思ってしまいます。読んでください。
この日は栄三郎を観察するので精一杯で記憶があやふやになっていました。具体的には、当日券で入ったスペインの方が、「眼鏡をかけている人のガチャはどれ?」という内容のことを英語で聞いてくださったことは分かったのですが、「眼鏡をかけている人なんていた?」と他の人に聞くなどしました。ジューローさんごめんなさい、本当に。
〇11/18
~配役~
・小野塚鉄斎:名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエさん」)・諏訪栄三郎:名古屋参十郎さん(以下「ジューローさん」)
・弥一郎:名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)
・道場破り/月丸:名古屋山三郎さん(以下「座長」)
・影丸/相馬大膳亮:名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)
・新井半兵衛:名古屋虎之助さん(以下「トラスケさん」)・金子辰之助:名古屋参史郎さん(以下「シロウさん」)
この日はシロウさんが新役! ずっとお二人で回していた辰之助が三人になりました。シロウさんの辰之助は持ち味の若さがよく出ているなという印象で、押しの強さがツボでした。この日の祠の封印を解く方法が「高音を響かせる」という発想も面白かったし、ダエさんの「魔笛」がなかなかお上手で大笑いしてしまいました。
この日の月影コンビは先週とも、そして昼公演と夜公演でも進化していて、とてもどきどきしました。夜公演の月丸は影丸に対して厳しい印象がありますが、それでも影丸は月丸のことが大好きなんだろうな、と伝わってきて面白い関係性でした。この日の影丸はこれまで拝見してきたトラザさんの影丸のなかでも特にマッドな雰囲気があって新鮮に感じました。この月影コンビ、もう少し回数を重ねて観たいです。
〇11/19
~配役~
・小野塚鉄斎:名古屋山三郎さん(以下「座長」)・諏訪栄三郎:名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)
・弥一郎:名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)
・道場破り/月丸:名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエさん」)
・影丸/相馬大膳亮:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)
・新井半兵衛:名古屋参笑太さん(以下「ショータさん」)・金子辰之助:名古屋参十郎さん(以下「ジューローさん」)
この日はショータさんの半兵衛を久々に拝見しました! 今月は私がトラザさんのご出演のある日にばかり行っていることもあり、ゲネプロぶりのショータさんでした。ショータさんの半兵衛はとても明るさがあるのが興味深いなと思います。それが如実に現れるのが二幕の「ばっちりリターンしてみせるぜ」という台詞だと思います。ここ、他の半兵衛は割と重々しい印象なのですが、ショータさんの半兵衛は「やってやる!」という意思が強く感じられて人によってこんなに解釈が違うのだなと改めて思いました。
座長とトラザさんの師弟コンビも初めて拝見したのですが、どちらも剣に生きてきたということがよくわかる無骨な雰囲気の師弟で面白かったです。この二人についてくるやんちゃな弥一郎が良いバランスでした。