静心なくお金飛ぶらむ

オタクの現場備忘録。内容と語彙がない。

刃鋼 2024.3.20

3/20 山将舞台企画『刃鋼〜HAGANE〜』@名東文化小劇場

 

 

 名古屋のエンタメ界の猛者を集めた山将舞台企画『刃鋼〜HAGANE〜』。企画発足時は「こんなことやるんだ」という気持ちで拝見していたのですが、早々に推しのご出演が決まったため私の三月の予定が決まりました。

 続々と豪華な追加キャストが発表され、稽古風景のお写真が上がる度に増すわくわくが最高潮に達した初日、上社という初めての地に足を伸ばして行ってきました!

 

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〜配役〜

佐々木翔太郎:名古屋虎三郎さん(以下「トラザさん」)

鈴村新兵衛:佐藤匠さん(以下「匠くん」)

千代枝:綾瀬麗奈さん

佐々木多恵:川村昇子さん

蛇足(山雅貞彦):名古屋山三郎さん(以下「サンザさん」)

太吉:渡部将之さん

初音:元山未奈美さん

花屋敷風流:岩崎真さん

番頭:山本のぼるさん

又八/みさき屋の大将:佐治なげるさん

工藤甚六:渡辺一正さん

玄之介:宮谷達也さん

門倉仙:八代将弥さん

河村作治:宮田せいじさん

松田:村井雅和さん

吾郎:山口雅也さん

丸眼鏡:岩男考哲さん

権三郎:加藤正さん

カヨ/お七:柳澤柚月さん

お由:射場心々美さん

お菊:倉地佑奈さん

アクションアンサンブル:南勇大さん・加藤大輔さん(以下「だいちゃんさん」)

※この先ネタバレを多分に含みます。

 

 

佐々木翔太郎

 今回のトラザさんのお芝居、本当に良かった……! 翔太郎の登場時は道場主というわりには青臭さと適当さがあって、少し前までナゴヤ座で「SAZEN」シリーズを拝見していたおたくとしては意外なキャラ付けだなと思いました。

 翔太郎は「SAZEN」シリーズの諏訪栄三郎のように剣術の面では素晴らしいを持っている存在ですが、一番大きな差として、導いてくれる(=上位の存在として頼ることができる)師を持たない点があると思います。だからこそ多恵や門下生を頼らず、同じ道場で育ち力量を知っている初音とこっそり動くしかできなかった。ここ、もし小野塚鉄斎のような精神的にも成熟した導き手がいれば結末は変わったかもしれないと思います。

 

 翔太郎は京に行って攘夷志士とそれに対抗する「会津藩お抱えの」新選組の活躍を見聞きしています。新選組も母体は試衛館道場なので、自分の道場である翔龍館が庄内藩お抱えとなって、嬉しかったろうと思います。そして、自分は京を守る新選組のように江戸を、そして庄内藩を守ろう、守らなければと思った。新選組が翔太郎にとっての成功例だったのかなと思います。

 

 翔太郎は多恵や門下生に対してからっとした笑顔で向き合う一方、初音には厳しい顔も見せます。翔太郎は実戦で鉄砲の脅威を知ってしまって、刀では敵わないと実感したからこそ多恵らを巻き込まないようにこっそり動いていますが、そこにある思考や感情がとても独善的でエゴイスティックに感じられて、それがとても人間らしくて大好きでした。翔太郎の人間らしさを感じた瞬間思わず涙が出て自分で驚きました。

 

 翔太郎の最期も本当に好きでした! 銃弾を浴びながら前に進む翔太郎のあまりの不死身ぶりに震えたし、門倉に一矢報いるのも、体に撃ち込まれた弾を刀を打つための素材にさせるのも、翔太郎の狂気的な真っ直ぐさが現れていて良かったです。太吉とのやりとりの回想はとても温かさがあってこれも良かった……! その後太吉が打ったなまくらに翔太郎が重ねられていて、一回きりの刀でも入れば大きいというとても象徴的な存在として門下生に力を与えるのがとても好きでした。ここも「妖刀じゃなくていいんだ」とすっと納得できて泣きました。

 なお新選組のおたくである身としては翔太郎の感じた鉄砲の脅威に、新選組が感じた絶望を重ねてしまって勝手に泣きました。

 

 これは本編とは関係ないところですが、翔太郎が松田を捕らえて連れ帰るところや翔太郎の遺体を運ぶところで本当に引き摺っていて、細かいところながら本当に好きでした!

 また、立ち回りの中で足を当たり前のように使っている泥臭さも好きでした。

 

 

鈴村新兵衛

 この『刃鋼』という作品で鍵を握るポジションだった新兵衛。実は匠くんのお芝居を拝見するのは二度目で、前回はボイメンステージ『諦めが悪い男たち ~NEVER SAY NEVER~』(以下「ボイステ」)でした。ボイステは、そもそもストーリーがフォーチュンエンターテイメント色の強いもので、匠くんも「BMK佐藤匠(当時はBOYS AND MEN研究生)という印象。癖の強さで惹きつける面白い方だなと思っていました。「ボイメンステージ」と銘打った公演である以上それは正解だったのですが、今回の新兵衛という役を拝見していて、匠くんらしさという軸以外にちゃんと新兵衛らしさという軸があったように感じて素敵だなと思いました!

 

 新兵衛は生意気で協調性もない。その上腕は良いと来れば、他の門下生にとっては面白くないのも理解できます。でも、その中で翔太郎の吐いた嘘に唯一気が付き、笑顔の裏に隠された血生臭い一面を見ることができたのは、やはり新兵衛の洞察力なのだと思いました。

 また、だからこそ翔太郎も最期の言葉を身内である多恵ではなく新兵衛に託したのかなと思います。師である翔太郎の身体から鉛を取り出すって、とても抵抗があることだと思います。それでもそうすべきだと主張する新兵衛の意思の強さは、少し翔太郎に似たところもあるように感じました。

 

 新兵衛について考えていたのですが、彼の中にはずっと焦燥感があったように感じます。幕末の動乱期。尊王、佐幕、攘夷。ひたすらに稽古に打ち込む新兵衛は、早く強くならなければ、と思っているような気がしました。実戦に出ていなくても新式の鉄砲や大砲の台頭が進むと、刀の時代の終焉が迫りつつあることは感じられると思います。

 長い泰平の時代を生きてきた武士たちにとって、各地で起こる内乱は武士として戦う最後の機会ではないでしょうか。だから新兵衛も道場の門を叩いたのでは? と思ったし、だから焦りも生まれるのでは? と思いました。

 翔太郎が一人で危ない方向に突き進む一方で、新兵衛は他の門下生に囲まれて仲を深めていたのも印象的でした。少しずつ互いを認め合い、翔太郎の死という同じ悔しさを経て他の門下生を盾にして蛇足を斬った新兵衛は、この『刃鋼』という作中でしっかり成長を描かれていて好きでした。

 翔太郎の死後、門下生が集まって稽古をしているシーンは新兵衛に翔太郎が重なって見えてとても良かったです! あの動き、OPのものかな? と思うので、やっぱりあのOPの最初のところは翔龍館の稽古風景だったのかな。

 

 私はBMKにはあまり詳しくないため実際のところは存じ上げないのですが、匠くんがボイメンに憧れて上京したと聞いたことがあって、それが翔太郎に憧れて田舎を離れたという新兵衛とリンクして見えて面白いなと思いました。

 

 すべてが終わった後の翔龍館で新兵衛が振っていた刀は太吉が打った刀(だったはず)で、妖刀でないからこそ守りたい人を守るために刀を握り続けられるのかなと思いました。あの刀は翔太郎なので、最後に道場に戻ってきたのだなあと思えたのも好きでした。

 

 

千代枝

 千代枝は複数の男性を相手にすることが自分の仕事だと言い切れるところに、根本的な彼女の強さを感じました。千代枝自身は子がいることも蛇足に告げる気はなかったし、今後も親子二人で生き抜いていくのだろうと思います。

 その強さは、遊女の諦観に近いのかと思っていたのですが、薩摩藩邸に向かった蛇足を案じて炎に飛び込む姿は諦観とは遠く、蛇足のことを本当に愛しているのだと感じられて好きでした。

 幾度となく危険な目にあった千代枝ですが、子と共に平穏に生きていけることを願っています。

 

 OPで遊女姿で登場された瞬間、鋭さのある美しさに衝撃を受けました……! まだ観劇できる回がありますが、毎回目を奪われる予感があります。

 

 

佐々木多恵

 多恵は序盤からずっと道場主の可愛い妹というポジションに置かれていて、「怒らせるな」と言われつつも守られる側に置かれていましたが、実際は人を救うために火事の中にも突っ込んでいくことができる力強さがあって素敵でした。

 

 多恵が翔太郎の遺体を前にして太吉に刀を打つよう依頼する場面、とても優しい感情が見えて良かったです。多恵がいてくれたから好転した場面ってたくさんあったような気がするので、次回観劇時はこの辺り注目したいところです。

 

 

蛇足(山雅貞彦)

 サンザさんはお芝居はもちろんのことながら、空気を作るのがお上手という印象があります。今回それが良いなと思ったのが千代枝との最初のシーンでした。あのシーン、下手に静かに座っているだけでぐっと空気が変わったように感じて好きでした。蛇足はサンザさんの良さがぎゅっと詰まった役どころだったなと思います。

 

 そしてサンザさんのもう一つの特大武器がその身体能力。「もしかしてやるのか……?」「いやまさか……」と思っている間に、盛大な階段落ちを見せてくださって、盛大にテンションが上がりました。

 私はトラザさんのおたくなので、『刃鋼』を翔太郎側に立って拝見していたわけですが、蛇足には蛇足の戦わなければならない理由があって、それが意外と単純明快だったのが蛇足側にも立ちやすくて面白かったです。階段を落ちながら、千代枝のことを思ったりしたのかな。ラストの港でのシーンで、薩摩に置いて行かれたことをすんなりと受け入れる蛇足がとても好きだったので、どこかで蛇足側の目線で観てみようと思います。

 

 あとOP! 突然現れて翔太郎と斬り結ぶ蛇足に驚いて、声が出そうになりました。初っ端がクライマックスレベル。『SAZEN2』の後夜祭に引き続き、サンザさんとトラザさんのばちばちの立ち回りが拝見できて嬉しかったです。

 

 蛇足が初心を折るところも格好良かった……! あの初心、折れる刀だということは分かっていたのですが、お二人のタイミングがばっちりだったために一瞬どうなったのか理解が追い付かず衝撃でした。あれを早くもう一度観たいです。

 

 

太吉

 『刃鋼』のキャラクタの中でひょっとすると一番好きかもしれないのが太吉でした。

 翔太郎が太吉の元を訪れる時、子供時代と変わらないのだろうなと想像できる暖かい空気になったのがとても好きでした。でもその裏に不穏な空気も滲んでいて、それにまったく目を向けない太吉は、翔太郎に子供時代のままであって欲しかったのかなと思いました。

 太吉は翔太郎が持つ暗い部分を自分の目で見ないまま別れることになったので、一番「どうして翔太郎が死んだのか」と考える立場なのではないかと思います。ただ、太吉にできる一番の弔いはきっと刀を打つことなので、きっと翔太郎の死は太吉の成長にも必要な要素だったのだろうな……。

 

 この作品、翔太郎から新兵衛への継承の話だと思って観始めたのですが、実際のところはそれに加えて玄之介から太吉への継承の物語でもあって、それがラストの太吉と新兵衛の振り下ろす槌と刀に込められていたように感じました。二組の継承の形、とても好きでした!

 

 

初音

 初音は翔太郎の昔馴染みですが、この二人の間に恋愛感情が一切描かれていなかったのが大好きでした! あくまで同じ道場出身で同じ志を持つ存在であるところが初音と翔太郎の関係性の良さだったと思います。

 初音はひたすら冷静を保って(もしかすると保とうとして)いて、それが元山さんの持つ格好良さを存分に引き出していたように感じました。一方で初音にも弱さはあって、翔太郎の死を目の当たりにした時に初音の弱さが見え、初音にとっても翔太郎の存在がひとつの支柱になっていたのかなと思いました。

 

 初音って謎が多くて、翔太郎に情報を運ぶ以外に普段どうしているかはよく分からないのですよね。多恵とも面識があるけれど、近くに住んでいる風ではなくて……。初音がどうして刀を握って、何を守ろうとしているのか、今度は注目しながら拝見したいところです。

 

 

花屋敷風流

 風流、名前が良い! このお名前、元ネタがあるのかどうかは分からないのですが、文化人っぽいお名前なのに剣術を学んでいるというのが好きでした。

 

 風流はちっとも真面目に稽古をしていないし、先輩風を吹かせるわけでも積極的に新兵衛に突っかかるわけでもなく、漂っている感じがして面白かったです。

 

 酒宴のシーンで新兵衛に「一番悪い!」と詰められていた風流ですが、あまり「面倒くさい」と口にしていた印象がなかったので、二回目の稽古シーンで門下生が揃って稽古を始める時に「面倒くさい」と言ってほしさがありました……! テンプレにはテンプレの良さがあると信じるおたくなので……!

 

 

番頭

 私は残念ながら山本のぼるさんのパフォーマンスで不快な経験をしていたため(マイナスの話です→https://fse.tw/rw0trUcl#all、できる限り私の方から避けようと思っていたのですが、今回推しと再びご共演されるとのことで避けきれず、そこがこの『刃鋼』の一番の懸念点でした。しかし、「番頭」という役を通して観る分には普通に良かった気がします。

 

 演者とお芝居を切り離して観ることが私の課題です。

 

 

又八/みさき屋の大将

 又八(と権三郎)のペア、本当にズルすぎる……! 「すいませーん!」と叫びながら、勝手に門を開けてしまっているのも、本当に合っているのか怪しい謎通訳も、面白すぎて大笑いしました。あの喋った言葉より明らかに長い通訳、確かミュージカル「忍たま乱太郎」で観たような気がして勝手にツボでした。

 

 みさき屋の大将も良かった! お店のお客さんたちが皆でがやがやとお話できるのも大将の雰囲気がいいからなのかなと思いました。取っ組み合いに割って入ったのに巻き込まれていたところ、アニメで見る団子になって殴り合うやつだ! とわくわくしました。

 

 実は佐治さんのお名前は存じ上げていたものの、実際に拝見したのが初めてだったので、後からパンフレットを見て「あなたが! 佐治さん!」と思いました。お噂はかねがね……。佐治さんのお芝居もじっくり観に行きたいな~!

 

 

工藤甚六

 渡辺さんは以前ナゴヤ座にゲストでいらっしゃっていたのを拝見していて、その時もアドリブが多かった覚えがあるのですが、酒宴の場面での「それは初音さんだよ」のくだりも台本を読んだところアドリブだらけになっていて少し笑いました。あそこ、新兵衛が元々匠くんに寄っているシーンなのもあってか、笑ってしまう匠くんが面白かったです。

 

 甚六は、ずっと先輩風を吹かせていたりすぐ仕切ろうとしたりしていて、どう考えても面倒な先輩ではあるのですが、意外と一人ひとりに気を配っているのかな、と端々で思える良い先輩でした。

 あと門下生が揃って稽古をするシーンで、刀を振る度に「ヒュン!」という気持ちの良い音がしていて、甚六が積み上げてきたこれまでの研鑽を感じました。甚六が口ばかりではないことをあの一瞬で見せつける渡辺さんの力量、凄かったです。

 

 

玄之介

 玄之介は翔太郎の抱える闇に最初から気が付いているのがとても良かったです。昔馴染みの太吉は本質が見えていないのに玄之介には本質が見えている。それは刀鍛冶としての力量の差でもあるし、蛇足に傑作を与えたからかもしれない。人斬りには人斬りの気配があって、玄之介にはそれが感じ取れているのかな、と想像しました。

 

 『ゴスン』は宮谷さんのご出演回ではなかったため、『ピーポウ』ぶりにお芝居をしている宮谷さんを拝見したのですが、宮谷さんのお芝居って本編で描かれていないところまでしっかりその役の人生がある気がして好きです。今回の玄之介の情報の出し方も好きだった~!

 

 

門倉仙

 初登場の時、矢代さんのお声のトーンと横顔の輪郭で外国人武器商人か何かなのかと思ってしまいました。パンフレットを読んでおけばよかった。すぐにこれが先ほどから話題に出ていた門倉か! と衝撃を受けました。薩摩藩にどうしてもがっしりとしているイメージがついてしまっていて西郷隆盛のせいだと思っています)、矢代さんは細身なので門倉の想像図を良い意味で裏切られました!

 

 門倉は薩摩のためにいろいろと便宜を図っていましたが、薩摩藩は門倉に対して何も思っていないことがはっきりと描かれていて良かったです。というか、薩摩藩は門倉や蛇足のことを助ける気はないし、庄内藩も翔龍館のことを助ける気はなくて、現場の人間と上層部で恩義を授けた・受けたことへの重みが全然違うのが面白いなと思いました。

 

 門倉はおたくの心に刺さるキャラクタ造形だったので翔太郎らにスポットが当てられている間の門倉らの行動ももっと観たいなと思いました。

 なおOPの時に鍛冶組に混ざっていることをフォロワーから聞いて知ったので、次回は頑張って上にも注目したいなと思います。

 

 

河村作治

 作治は新兵衛に対して劣等感があるのが好きでした。劣等感があるから稽古着も隠すし、少し生意気なことを言われたら手も出る。でも、本当に新兵衛のことが嫌いなわけではなくて、敵わないことが悔しいのだろうと思います。

 

 甚六と風流と作治のトリオ、とてもバランスが良くて、三人がいることで翔龍館の空気が明るくなっているように思います。中でも作治はムードメーカーの役割を果たしていることが多く、良い兄弟子でした!

 

 

松田

 松田は門倉の側近ですが、常に淡々と事を進めていた門倉が最初に取り乱したのが翔太郎の口から松田という名が出たところだったので、もしかしたら郷里が同じとか、他の部下たちよりもずっと長く門倉と共にいたのかなと思いました。

 翔太郎に捕らえられて引き摺られていく松田、本当に良かった……! 拷問で四肢の自由を奪われた松田はその後命を落としたのだと思っていますが、もし松田が生きていたら門倉ももう少し生き延びたのかな……とも思いました。

 

 村井さん、以前はナゴヤ座のゲストでもよく拝見していたのですが、最近はナゴヤ座のイベントの客席で拝見している印象が強いので、今回久々に動いてらっしゃるところを観られて嬉しかったです!

 

 

吾郎

 吾郎は鍛冶組の中で最もまともで、吾郎がいなければ玄之介と太吉の師弟は成り立っていなかったかもしれないと思うくらいの潤滑油ぶりでした。

 吾郎は太吉の兄弟弟子なのかと思い込んでいましたが、どうやら使用人だったようで、この勘違いを正した上で観たらまた見方も変わってくるのかな? と思います。職人二人を相手にするのは大変だったと思いますが、吾郎の纏う雰囲気がとても柔らかくて良かったです。

 

 吾郎は翔龍館でいうところの多恵だと思っていて、翔太郎にお茶を出す吾郎、初音に(会わせないために)お茶を出さない多恵の違いも面白かったです。

 

 

丸眼鏡

 最初みさき屋で突然声をかけてきた丸眼鏡のことを間者だと思って最後の方までずっと疑っていました。だって丸眼鏡の風体が怪しすぎる……! 普通に良い町人でした。濡れ衣を着せてごめんなさい……。

 学者っぽい見た目なので世間の状況などにも詳しいのかな? 得意分野も気になるところです。

 

 岩男さん、丸眼鏡の他にもひょっとして藩士などをやってらっしゃった……? 藩士をどなたがやってらしたのかあまり把握せずに観ていたので、次回注目してみたいところです。

 

 余談ですが眼鏡をかけておられる姿がとても神木隆之介さんに見えていました。どこかで見たような……と思って脳内のデータベースを大捜索した結果が神木さんで、そこか~! と思いながら拝見していたことは内緒です。

 

 

権三郎

 又八のところでも少し触れましたが、権三郎は本当にインパクトがあってズルい役だった……! 台本の道場破りに来るシーンを読んだところ、多分ほぼそのままだったので帰宅してもう一回笑いました。

 

 そういえば加藤さんが舞台にご出演されているところを拝見したのが初めてだったので今回拝見できてラッキーでした!

 

 

カヨ/お七・お由・お菊

 ここ御三方、纏めての感想になってしまって申し訳ないのですが、三人娘がずっと一緒にいたのがとても可愛くて大好きでした!

 

 町娘になったり禿になったりしていた御三方ですが、どちらの時もしっかりと物語を進めるために大切な情報を出す役割を果たしていて良かったです。

 

アクションアンサンブル

 このおふたり、名前らしい名前はみさき屋での「講師」「談師」だけでしたが、アクションアンサンブルの名の通り殺陣のシーンはほとんどいらっしゃって、体力消耗が激しそうだ……! と思いました。が、初日開演前に1階で列形成を待っていたところ、勢いよく階段を駆け上がっていくおふたりをお見かけし、これが若さ……? と震えています。

 

 だいちゃんさんはナゴヤ座一昨年の運動会から定期的に拝見していますが、南さんは初めて。南さんのエゴサ術が凄まじく、へんてこな感想ばかり述べているおたくとしてはお恥ずかしい限りです。

 

 

 初日の感想を書くのに2日かけてしまったのですが(まだまだ書き足りていないのに……)、土日であと3公演観られるので、千穐楽までまだまだ楽しみにしております。皆様が無事千穐楽まで走り抜けられますように……!