静心なくお金飛ぶらむ

オタクの現場備忘録。内容と語彙がない。

シンの明星 2024.6.8-2024.6.9

6/8 劇団☆龍(Dragon)童子 Produce『シンの明星』昼公演・夜公演@愛知県芸術劇場 小ホール

6/9 劇団☆龍(Dragon)童子 Produce『シンの明星』昼公演・夜公演@愛知県芸術劇場 小ホール

 

 

 

 

~配役~

セレネ:福島彩菜さん

ナジュム:山本航大さん

ミンタカ:伊藤楓人さん

シンシュク/ジョクシュウ(白虎):長谷川聖さん

チャグロ/タイビエン:宮谷達也さん

シエリー:木実あみさん

フィリア:松本恵舞さん

ラグバ/玉帝:福満薫さん

オモン:ケンティさん

カジャル:青山高志さん

ホズン:稲本奈央さん

レオ:水谷健さん

サジ:織田千磨子さん

カンケル:森田祐輔さん

ヨンギ:もげさん

メイサ:斎藤美七海さん

バンモン:村井雅和さん

アゴニア:寺西栄美さん

リゲル:神谷脩介さん

ミンタカ(少年時代):芳賀泰己さん

コウボウ(青龍):児玉悠花さん

シュメイ(朱雀):AKINAさん

ゲンメイ(玄武):倉地佑奈さん

アンサンブル:菊地弘泰さん・あいちしおりさん・松井美里さん・池谷優奈さん・

稲山紗希さん・髙澤了輔さん・山室祐太さん・屋宜彪月さん・加賀志郎さん・三倉諒大さん

​和太鼓演奏:爛漫プロジェクトさん

 

 

セレネ/福島彩菜さん

 彩菜ちゃんのことは以前から存じ上げていたものの、実際に拝見するのが初めてで、OPで出てこられた瞬間「お顔ちっちゃ!」という感想に脳を支配されました。二幕でメイサの連れてきた巫女として王宮に入るシーンでお顔を隠しておられたのを見てもう一度「お顔ちっちゃ!」に脳を支配されました。

 セレネの好きなところは、ずっと清らかな空気を纏っていたところです。美しく可憐な元王女であるものの、それだけではなくて、父の亡霊に会いに行ったり、自分で顔に傷をつけたり、王宮を出て兄を探しに行ったりしていて、行動力があるところも素敵でした。

 セレネの強さは、許せないと思っている相手を赦し信じることができるところだと思います。セレネが治めるシンの国はきっと良い国になるだろうな。

 あとセレネが発狂したふりをして剣を振り回しながら言っていた台詞、どこかで読んだことがあるような気がしたのですが、浅学なのでどこだったかまったく思い出せません。有識者がおられましたら教えてください。

 このシーン、セレネが一国の王女として高い教養をつけていたのだろうと伺い知れて大好きでした。

 

 余談ですが、シンシュクの羽織で追手をやり過ごすところのポーズが可愛くてツボでした。また、シンシュクの羽織をくるくる丸めてしまうところで一度シンシュクが「性格が出ている」と文句を言っていた回があって、セレネって意外と雑なところがあるんだな……とほっこりしました。

 

 私は彩菜ちゃんのことを小野小町で知ったのですが、小野小町時代たくさんライブがあったにも関わらず全然拝見できないまま解散してしまって悔しかったので、ようやく彩菜ちゃんの活躍をこの目で見ることができて本当に嬉しかったです!

 


ナジュム/山本航大さん

 ナジュムはアゴニアが自分に対して複雑な感情を持っていることに気が付きながらも、弟のことを心底大切に思っていたところが好きでした。本人としては気が付いたら記憶がないままモルタ渓谷にいたのかもしれませんが、ナジュム自身も何か罪を犯してモルタ渓谷に送られたわけではなかったのに、弟のために危険な盗賊稼業でお金を稼いでいたのだと思うと、とても優しい人なのだろうなと思いました。

 セレネは兄であるアルタニクを王として擁立しようとしていたけれど、記憶を取り戻しても実際問題幼少期からずっと罪人の里で過ごしてきたわけで、王としての教育を受けられてないのは大きいだろうな……。でも民の実生活を知ることができる環境だった分、セレネの補佐として活躍できる気がします。

 

 これはお芝居の感想とは少し違うのですが、星華楼での舞の場面で、男性のパワフルさがあって良いなと思いました。

 ところでナジュムは自分を十五年間女性だと思い込んで生きてきたの……? 自己の性に対して違和感を覚えることはなかったのかな……?

 

 

ミンタカ/伊藤楓人さん

 お声心配メンバー一人目でした。

 

 ミンタカのことが一番理解しにくかったのですが、一番人間らしい存在だったような気がします。多分人間らしいからこそ理解できないんだろうな……。

 ミンタカは巻き込まれ主人公タイプなのかな? 自分は剣の道に生きてきただけなのだけれど、謀略に巻き込まれて王を討つことになるのが面白いなと思いました。ただミンタカはもっと周りに怒った方が良いと思います。

 

 ところで私はもげさんを見る度に恋に落ちてしまうおたくなので、ヨンギとの十五年ももっと見たかったです!!!!!

 

 

シンシュク・ジョクシュウ(白虎)/長谷川聖さん

 キャラクタとして大好きなタイプではあるのですが、「好き」という感情よりも「不思議」という感覚が強く、面白い役どころでした。多分それは自分に似ているような気がしたからで、見透かされたような気がして少し怖かったです。

 

 私は、シンシュクが人間の中にいる時に明るく親しみやすく振る舞うのは、人間のふりをしているからなのではないかなと思いました。人間の中に混じる時に道化のふりをするのは、人間と感情がずれている存在にとってうまく溶け込む唯一の方法ではないかと思います。太宰治が『人間失格』で描いた大葉葉蔵のように。

 ゲンメイが「神になり損ねた道士」の存在に言及していたので、きっと紫崙山で修業を積んだシンシュクが神になってジョクシュウという立場を与えられたのだと思います。神様という立場なら、人間の感情がわからなくても「神だから」で片付けられるの、羨ましいなと思いました。でもきっとただの道士だった頃から人間の感情は分からなかったんじゃないかな……。

 ジョクシュウは「神」なので、人間の感情は分からないと思っているし、分かることもないだろうと諦めているのだと思うのですが、人間のことが嫌いなわけではないし、信じたいのだと思います。でも信じてみたら裏切られるから、もう消してしまおうと思うんですよね……。

 

 セレネを王にするために星を集めているのに、人間たちがアルタニクを擁立しようとしている間のシンシュクのつまらなさそうな顔も大好きでした。あとアゴニアとナジュムが親子の話をしている間も興味がなさそうで少し救われました。分からないの、私だけじゃないんだ……と思って……。

 チャグロをさっくりと殺そうとするシンシュクは本当に自分勝手で良いなあと思いました。好きです。

 

 タイビエンとの関係性も大好きでした。友達って言葉にしないと分からないですよね。家族愛が全然分からないタイプなのですが、友達は知ってるのでとても刺さりました。

 ジョクシュウはタイビエンの前では人間の感情がわからないことも隠さず、素の表情豊かな顔をたくさん見せていて、打ち解けているのだなあと分かるのが好きでした。シンシュクの姿ではなくジョクシュウの姿で付き合っていたというのも、タイビエンの良さを認めていたからではないでしょうか。

 ジョクシュウがシンの国を消そうとしたのも、自覚的ではないにしろ気に入っていたタイビエンが亡くなったという悲しみもあったのではなかな、と邪推しました。

 もう割と長いこと舞台を観るおたくをしていますが、応援している方がここまで自分と重なるような役を演じるという体験が初めてだったので、妙に感情移入してしまい、一回目のEDのラストから千穐楽まで、OPとEDで二回泣くおたくになっていました。

 

 それはそうと、シンシュクの登場あれこれが面白くて、いかにシンシュクに変な登場をさせるかのチャレンジでもしている? と思いました。道祖神になっているシンシュクが一番好きなのですが、兵士の落ちた川に道祖神をドボンと落としていて、兵士の身を案じています。

 

 シンシュクからジョクシュウに変身する引き抜きは千穐楽でばしんと決まって気持ち良かったです! ジョクシュウであると本性を晒してからの立ち回りは至極淡々と粛清していて、取り繕わない様子が好きだったのですが、一方ゲンメイと共にいると捻くれた末っ子の顔が出てくるのが面白いなと思いました。四神の中でどう見ても末っ子のビジュアルではないのに末っ子ポジションなのも好きでした。

 

 シンシュクとジョクシュウについての感想は書き出したらきりがなさそうなので一旦終了とします。

 

 

チャグロ・タイビエン/宮谷達也さん

 チャグロは擁護のしようがない悪だったのが好きでした。権力に目がくらみ王妃であるラグバですら邪魔だからと手にかけるチャグロは、セレネが王座から降ろさなければフィリアも殺害していただろうなと思います。その点では少し『マクベス』っぽいのかも……。

 前王に仕えていた者を次々王宮から追い出す手腕が見事で、とても賢い人なのだろうなと感じました。四十年仕えているという宰相に対しても容赦なくラグバを殺害させることで忠誠を示させているのが上手かったです。

 ミンタカとセレネが通じていることにすぐに気が付く様子もあったので、もしかしたら初めからセレネを第二妃として迎える予定があったわけではなくミンタカを排除するためセレネを第二妃にすると発表したのかもしれないなとも思いました。

 

 ラストは自分の過ちを認め贖う道を選んだチャグロ、フィリアの良き父になれそうでほっとしました。

 

 王になる前のタイビエンは部下の全滅で落ち込む人柄ですが、王座についた後のタイビエンはしっかりした賢王といった雰囲気で、タイビエンを王にすると決めたジョクシュウに支えられて名実共に王となっていったのだろうなと思いました。

 チャグロによる謀略は十五年前から張り巡らされていたにも関わらずずっと王座を守り治世を続けてきたということはよほど優れた王だったのだろうな……。

 

 千穐楽でジョクシュウの鉞とタイビエンの剣ががちんとぶつかった時に破片が飛んだのがとても格好良くて好きでした。タイビエンはもう人間ではなく亡霊だからジョクシュウの作った時空の狭間に来られたのかな。

 

 初回観劇時、終盤で舞台下手にチャグロがいるはずなのに宮谷さんがタイビエンとして登場して衝撃でした。舞台でミスディレクションをされるの、大好きです。

 

 

シエリー/木実あみさん

 お声心配メンバー二人目でした。

 

 シエリーはこの物語の中でセレネを支える七星には含まれませんが、セレネがまっすぐであるために必要不可欠な存在だったと思います。シエリーは要所要所で重要な役目を果たしていて、セレネが王宮を出るために身代わりになったり、追われる身であるヨンギを匿ったり、フィリアの心を守ったり、宣言通りチャグロを殴ったり、皆の盾であり矛でした。でもシエリーは自然体でそれができる強い人という印象で、そこがとても好きでした!

 ハリセン箒から良い音がした時はとても気持ちが良かったです!

 

 フィリアと心を交わした子守歌、独特で癖になってしまって幻聴が聞こえてきます……。あの歌で寝かしつけられてきたから歌いながら寝てしまうのかな……。やっぱり豪胆すぎるな……。

 

 あみさんのトレカのレアカードが当たったのですが、裏にラーメンの絵が描いてあってとても可愛かったです!

 

 

フィリア/松本恵舞さん

 恵舞ちゃんのお芝居を拝見したのは『蒼ノ風』ぶりで、『蒼ノ風』の時は純粋さの象徴のような役どころだったのが、今回は純粋なだけではいられなかった少女の役どころで最高でした。

  フィリアの好きなところはいろいろあるのですが、一番好きなのは「何の騒ぎ?」というシーン。折角シエリーとのやり取りでセレネを慕うからこその決別を果たしたのに、チャグロが平然と嘘を刷り込むせいでフィリアが甘さを捨ててしまうのが悔しく感じました。

 

 だんだん瞳から光が無くなっていく様子や、不安定になってまくし立てているところが本当に良くて、恵舞ちゃんってこんなお芝居をするんだ! と新鮮に感じました。

 群衆にも恵舞ちゃんが混じっていて、妓女の恵舞ちゃんにどきどきしたり、モルタ渓谷で働く恵舞ちゃんの力強さに驚いたりしました。以前拝見した時より格段に背も伸びていて、歳月の早さを感じます(?)

 

 

ラグバ・玉帝/福満薫さん

 ラグバと玉帝って全然タイプが違う二役ですが、同じ方が演じておられるのが面白くて、それがこの劇団☆龍(Dragon)童子らしさだなと思います。チャグロとタイビエンもそうですが……。

 

 ラグバはフィリアの不安を煽る張本人でしたが、その実ラグバもとても不安だったのだろうなと思います。若くて美しく、王の血統であるセレネが妃の座についてしまっては、王子が生まれる可能性も出てきて自分の立場がなくなってしまうし、ラグバ自身が謀略でさまざまな障壁を排除してきたのだと思うので自然と自分も排除される側になってしまうと焦ったのだろうなと思いました。

 ラグバとカジャルの裏ストーリーもあるんでしょうか……。気になる……。同郷の馴染み……。

 

 一方玉帝は厳しさと優しさを兼ね備えた神で、人間のことはもちろん、少々困ったジョクシュウのことも気を配っているのが好きでした。ジョクシュウとは違う面で神様らしい神様で、さすが玉帝でした。私はナゴヤ座のおたくなので「玉帝」といえば強そうな印象があったのですが、それを塗り替える柔らかな玉帝で良いなと思いました。

 「神は育まない」という言葉、面白かったな……。ここ、もう少し考えたいワードです。

 

 

オモン/ケンティさん

 ずっっっとケンティさんのお芝居が観たかったんです……。今回のご出演、本当に嬉しかったです。Instagramを拝見したところ、今回森田さんをそそのかし誘ってオーディションを受けられたとのことで、もう本当にお二人が揃っているところを見られて良かった……と思いました。お二人の立ち回りで涙ぐみもしました。嬉しくて……。

 

 オモンはほとんど喋っている印象がないのですが、アクロバットや立ち振る舞い、表情などで魅せてくださっていて、ずっと「好きだ……」という感情に支配されていました。

 オモンはずっと身軽に動き回っておられましたが、ラグバ暗殺の時にまさか跳んで行くとは思わず、初見時に声が漏れそうになりました。あの上の段から飛び降りてしまうのも本当に身のこなしが軽いな……と存じ上げていたはずなのに改めて感じ入りました。

 

 オモンの時は赤いチャイナ服を着ておられて、これがとても良くお似合いだったのですが、私はクムがとても好きでした。クムが斬られた時のあの目を惹き付けるお芝居が本当に良くて、「あっ好きだ!」と思いました(ずっとでは?)

 EDのクムがメイサを追うのも好きでした。仕えていたチャグロが権力を失った今オモンも解放されたんだな……。

 

 あとこっそり好きだったのが冒頭の妓楼のシーンにいらっしゃったケンティさん。初見時に小さいサングラスを掛けてらっしゃって、あまりにも「シャンティ」だ……と思ってしまい残り3公演ずっとシャンティケンティさんを探し求めていました。勝率五割でした。

 

 

カジャル/青山高志さん

 カジャルは本当に良いキャラクターでした……! 冒頭ではカジャルはチャグロに媚び諂っていることに何も抵抗がないのかな? と思っていたのですが、実はチャグロに対し不満もあって、それでも忠誠を誓わざるを得ない力関係というのが面白かったです。

 カジャルのショートショートのコーナーも、元ネタを存じ上げないものが多かったものの楽しかったです! 千穐楽でついに暗転したのが面白すぎて呼吸困難になるかと思いました。

 

 ゲンメイが化けていた状態のカジャルは、最初に拝見した時はどこで入れ替わっていたのかちっとも分からず、なんだか違和感があるな……? と思いながら拝見していたので、楽日は一目でわかるようになっていたので衝撃でした。強欲なので答えがわからない状態でもう一回観たかった……!

 

 ゲンメイが化けているカジャルのテンションがゲンメイとちゃんとリンクしていて、巧だなあ……と思いながら拝見していました。見れば見るほどカジャルたちがお気に入りになっていたので、缶バッジがあまり引けなくて一抹の悔しさが残ります。

 

 

ホズン/稲本奈央さん

 稲本さん、『蒼ノ風』でも巫女をしておられませんでしたか……?

 ホズンは、ヨンギに冒頭で「聡明なお方だった」と評されている通り聡明で、狂人になったふりをすることで前王時代から王宮に仕えているにも関わらず追い出されずに済んでいたのだろうな……と推察できるところが好きです。ホズンが喚く言葉は一つ一つ意味があるな、と思ったものの、時間が足りなかったため台本を読んで読み解きたいです。

 

 ホズンは初めから声のトーンを変えて冷静さが見える台詞が何個かあったのも、二回目から「これは……!」と気が付けて面白かったです。

 

 

レオ/水谷健さん

 不思議なことにアクションをなさらない水谷さんを見慣れてしまったおたくなので、今回水谷さんがその技術を思う存分発揮しておられて初回観劇時に動揺しました。

 シンシュクの道術で下手袖に吹き飛ばされるレオ、四回観劇したうち千穐楽くらいしかマットに着地できていなかったようにお見受けしましたが、お身体は大丈夫でしょうか……。

 

 滅亡したケイの国の王子というレオはただ滅ぼした相手を追っているだけでケイの国の再興は望んでいないというところ、とても興味深いなと思いました。滅びた原因が人間であることを薄々察していたりしたのかな……。戦闘力が高いのでチャグロにサジが売り込んだように新しいシンの国で存分に力を発揮するような気がします。

 

 今回吹き飛ばされたり階段から落ちたりしていたのと、リゲルと出会った時の登場から名乗り・握手の流れがヒーローショーみたいで面白かったです。本当に失礼ながら、最近のナゴヤ座では面白おじさんになっておられましたが、水谷さんって格好良いんだ……と新鮮に思いました(ごめんなさい……)

 

 

サジ/織田千磨子さん

 織田さんのお芝居を拝見するのも『蒼ノ風』ぶりでした。その時は殿さんとペアを組んでおられたと思うのですが、ピカロとルゼルナとは違ったコンビのお姿を拝見できて嬉しかったです!

 

 サジはケイの国があった頃からレオに仕えてきたのかな……? レオが一国の王子であったにも関わらず、敬称や敬語ではなくラフな関係性なのがとても興味深いなと思いました。レオが王子でなくなった時に対等な関係になったのかな……。

 

 私はお顔を認識するのが地獄のようにへたくそなので一人背の高い妓女がおられるなあと思っていたのが織田さんだったと後から気が付き衝撃でした。印象が違いすぎて……!

 

 

カンケル/森田祐輔さん

 森田さんのお芝居も久しぶりに拝見できました! 関ケ原合戦絵巻ぶりです。

 

 カンケルは剣術も使うものの、体術が多めなのがとても好きです。謀略により北の辺境の地へ追いやられたものの、北の民と組んでシンの兵士に反逆をするところも兵士に足をかけていて大好きでした。

 

 カンケル、父親のピスケルのことが大好きで可愛かったです。カンケルの剣がピスケルからもらったものって設定、そういうのもっとください。

 

 これはカンケルの感想ではないのですが、十日間不眠不休でミンタカたちを探し回っていた部下の方がそのまま使いっ走りにされていて少し可哀想でした。休ませてあげてください……。

 

 星華楼の場面で男を殴りつけている森田さんも好きでした。本編中では何故殴っているのかちっとも触れられていないところが想像し放題でいいなあと思いながら拝見していました。ここ、「シャンティ」みたいなサングラス(また言ってる)のせいで売人なのかと思ってしまったのですが、台本に金貸しと書いてありましたね……。金貸しでも助かります。良すぎる……。

 

 ナズワは賄賂を受け取って小銭を稼いでいるものの、わりと優しくて好きです。本来モルタ渓谷から出られないはずのナジュムはナズワのおかげで外で働くことができているし、捕らえられているナジュムのことも隙を見て助けてくれるし……。ナジュムに対してデレデレすぎるものの、総合点でカンケルと競えるよなあと思っています。

 毎度ご本人にご存知いただけないのですが、森田さんはめちゃめちゃ格好良いので認めていただきたいところです。

 

 兵士の森田さんも大活躍でしたね。シンシュクの道術で吹き飛ばされるところの「つ」の字っぷりが好きでした。

 

 

ヨンギ/もげさん

 ヨンギは「勇気」の名の通り、とても勇猛果敢で、男性が多いであろう禁衛隊で副隊長を務める腕があるのが大好きでした。OP明けの冒頭からヨンギの格好良いところが観られて、初回観劇時に好きが溢れて口を手で覆うおたくになっていたのですが、終演後お声掛けした際にバレていて恥ずかしさも溢れました。

 自分の立場が危うく隠れていても、シエリーがピンチになると飛び出して助けに入るのもヨンギの性格が表れていて大好きでした! 本当に格好良くて強くて好きです……。

 

 ヨンギは自分より背の高いミンタカをずっと可愛がっているのが好きでした。隊長と副隊長の立場でもあるけれど、二人だと姉弟の空気感になるのが可愛かった……!

 

 もげさんを拝見する度に恋に落ちるおたくなのですが、以前拝見した『ピーポウ』とはまた違ったもげさんが観られて四公演大好きが積み重なりました。

 星華楼にいらしたの、見えてなくて悔しすぎるので配信を確認します……!

 

 明星チャンネルの更新、毎回本当にありがとうございましたー! 助かるおたくの命がそこにありました!

 

 

メイサ/斎藤美七海さん

 メイサはナジュム(=アルタニク)を守る面と弟のためにチャグロに協力する面があって、一番場にあって行動が読めないキャラクタでした。

 

 ミンタカを匿うナジュムに警告したり、ミンタカの尾行を巻いてどこかへ出かけていったり、ミンタカを役人に売ろうとしたり、ずっと怪しい行動を取るメイサの正体が分からず、ナジュムと同じように「チャグロと通じているのか?」という気持ちがありました。

 カジャルを毒殺したのはメイサの判断だったのでしょうか。役人がメイサと共にやってきたということは呼んだのはメイサで、役人の到着が遅れてナジュムが連れていかれないようにという考えだったのだと思うのですが、あそこでわざわざカジャルを殺さずとも他の誰でも良かったのでは? と思いました。でもチャグロにミンタカを連れてこいと言われていたならば、カジャルのことが面倒になったチャグロに丁度良いからと始末されたのかもしれない……。

 

 メイサの好きなシーンはいろいろありますが、クムのためにチャグロに協力していたことを告白するシーンの悲痛な声色が一番良かったです。

 

 星華楼が妓楼であるにも関わらず接触が禁止なのは、ナジュムが男であることがばれないようにするためでしょうか。ナジュムが自分の性別に気が付かずに十五年生きて来られたのもメイサのおかげなのだろうな……。

 タビトとメイサが連携して星華楼で監視下に置いていたわけではなさそうだったので、星華楼で雇ったのはメイサの良策だったように思います。

 

 ところでこの感想書くのがもはや趣味みたいなおたくの存在が美七海さんにばれておりひぇっとなったのですが、今回も長々と感想を述べております。寛大なお心で見てくださるとありがたいですね……(あほなことばかり書いているので……)。前回の『OBORO』は現地で拝見していないのですが、今回も大ボリュームな作品をありがとうございました! 次回公演も拝見できることを楽しみにしております。

 

バンモン/村井雅和さん

 ビジュアルを拝見した際は「何だこのインパクトのあるビジュアルは……!?」と思いました。嘘です。実際に最初に登場された時も「何だこのインパクトのあるビジュアルは……!?」と思いました。強烈すぎる……!

 「罪を背負って罰を受ける」という決まり文句が視覚的で面白いキャラクタで、アゴニアに頭が上がらない様子が面白いなと拝見していたのですが、タビトに戻ると急に頼れる宰相モードになるのがずるいなと思いました。

 

 ラストのジョクシュウによる粛清の際にリゲルを殺されてずっと泣いているバンモンがとても印象的でした。『シンの明星』という作品、人間たちにとって重要な親子の関係性とそれを理解しない神の立場がありありと描かれているなと思っていたのですが、その中でもバンモンはナジュムも含めすべての子を愛する父という立場でタイビエンと通じていたのが面白かったです。

 

 バンモン主導による労働体操、前方で拝見していると常に見上げているので毎回首を回すところで首が生き返るのを感じていました。たすかった……!

 

アゴニア/寺西栄美さん

 アゴニアは宰相の妻という立場だからこそ、本当のナジュムを失った直後から失った原因であるアルタニクをナジュムとして育てなければならず、きっととても苦しかっただろうな……と思います。

 王宮の謀略によって本当のナジュムを失ったアゴニアだから、リゲルが兵士になりたいと言うことに反対するのもわかるのですが、最終的に送り出す決意ができるアゴニアはとても強くて素敵でした。

 

 自分の素性を知り混乱するナジュムに対して剣を取らせるところも強くて良かったです。アゴニアがナジュムのことを自分の子供だと言い切るの、とても大変だっただろうに……。

 

リゲル/神谷脩介さん

 お声心配メンバー三人目でした。

 

 神谷さん、まだ小さくていらっしゃるものの、重要な役どころを担っておられて凄いなと思いました。

 ジョクシュウによる粛清の際に神通力で宙に浮くようにバンモンに乗るところの軽やかさが良かったです。

 

 あと兵士でも出てらっしゃいましたよね……!? ナジュムらが、リゲルが禁衛隊の選抜を受けられるように手を回している時にまだ早いのでは……? と思ったのですが、神谷さんが戦っているところを見るとシンの国は兵士不足で幼くても選抜に合格すれば入隊できるのだろうな……。

 

 

ミンタカ(少年時代)/芳賀泰己さん

 ミンタカの少年時代は家族の思い出がたくさんあって、だからこそタビトが捕らえられた時ショックも大きかったのだろうなと思いました。

 ミンタカの少年時代が芳賀さんを通すことでより分かりやすく描かれていて良かったです。

 

 芳賀さんもたくさん兵士でご出演してらして、名古屋の若者って凄い……という気持ちで拝見していました。

 

 

コウボウ(青龍)/児玉悠花さん・シュメイ(朱雀)/AKINAさん

 コウボウとシュメイって最初と最後しか出て来ないと思うのですが、ジョクシュウやゲンメイのような騒がしい二柱と違い冷静さがあるのが姉っぽくて好きでした。

 ゲンメイも含め、幕が上がって一番最初が四神(といいつつジョクシュウはいませんが)の舞なのが龍(Dragon)童子らしくて好きでした。

 

 他の三人の神の名前をちゃんと呼ぶコウボウ、それぞれのことをしっかり見ている感じがして良かったです。

 「シュメイの方がジョクシュウに似ている」みたいなシュメイとゲンメイのやり取りがあったと思うのですが、もしかしてこれは台本にはない……? シュメイの性格も垣間見えて好きでした。

 

 それはそうと児玉さんとお誕生日が数日しか離れていなくて衝撃でした。同い年とは思えない大人っぽさ……! ユージンも好きでした。

 

ゲンメイ(玄武)/倉地佑奈さん

 三月に『刃鋼』でも拝見した倉地さん。『刃鋼』の時より存分に舞台上を駆け回っているところを拝見できて嬉しかったです!

 

 ゲンメイとジョクシュウだとジョクシュウの方が弟のようなものと言われていましたが、ジョクシュウの強引さに振り回されっぱなしでとても大変そうだなと思いつつ面白いコンビだなと拝見していました。

 ジョクシュウを見張ることになったゲンメイがそのうちセレネに接触するため王宮に現れると予想してカジャルの姿で先回りしていたゲンメイの先読み力がナイスでした。

 カンケルの部下やアゴニアといった七星を立ち上がらせるために必要なものを的確に引き寄せていて、ゲンメイもしっかり神様なのだなと思えて好きでした。

 

 終演後お話させていただいた時可愛さにやられて「可愛くて……!」しか言えないおたくになってしまってすみません……。可愛くて……!

 

アンサンブル

 アンサンブルの皆様が『シンの明星』の世界の人間の営みを描き出してくださっていたなと改めて思います。神がいる世界だけれど、人間の物語なのだなと思えて好きでした。

 

 龍(Dragon)童子さんの作品は毎回アンサンブルの方がたくさんおられて、お顔を覚えるのがへたくそすぎるおたくにはキャパオーバーなことが多いのですが、今回拝見しているうちにお顔を覚えることに成功した方もおられて、それぞれのご活躍をまた拝見したいなと思いました!

 

 

 今回推しのスケジュールが詰まりすぎていて、千穐楽の後おたくたちと「また東京で!」と別れたのがとても面白かったです。

 前作『OBORO』は拝見していなかったので『蒼ノ風』ぶりの龍(Dragon)童子さんでしたが、今回もたくさん考えることができる作品で、とても楽しい二日間でした! もっとシンシュクと同化していたかった~! 次回公演も楽しみにしております!

 

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