12/27 劇団わに社 第12営業『かかって来い、ハンセイ!』夜公演@ちくさ座
〜配役〜
鈴木タツタカ:野村祐貴さん
鈴木アミカ:かわちまりさん
浅野ヤジロウ/ジョニー:森田祐輔さん
久住コハル:岡田知華さん
春田マユリ:岩田沙樹さん
山下ツツミ:森本真由さん
二見モモカ:風魔さん
和田ツクシ:ベルべる☆さん
サクラ:岡田歩佳さん
夢の中の男:水野優斗さん
アンサンブル:石井優希さん、磯貝望さん、えそらさん、青木佑奈さん、たすくさん、ねるもんさん、三倉諒大さん、水上涼さん、山下hPaさん、横田萌依さん
2024年の最後の観劇は、実は初めての劇団わに社さん! 森田さんがまた舞台に出られると聞き、どうしても行きたいと思い帰省前に捩じ込んできました。
正直なところ、ストーリーとしては物語の核であるタツタカとタツヒロの入れ替わりが読めすぎてしまった上リアリティのない展開が多く入り込めなかったのですが、その代わり「演劇らしい」表現が多く興味深かったです。
ちくさ座はもう何度も来ている劇場なのですが、A面の反対側にも座席を出して本当に360度にしているのは初めてで面白かったです。今回私はA面に入っていたところ、冒頭から正面の上の方に謎の鉢巻を巻いた森田さんが出てきて笑ってしまいました。ジョニーという謎の男はタツタカ(と便宜上呼びます)の脳内でずっと場面に応じた商品を提示してくる訳ですが、あれはタツヒロの人格の欠片なのかもしれないな……と思いながら観ていました。脳内の存在に「ジョニー」と名付けるセンス、森見登美彦を思い出して少しくすっとしました。
一方森田さんのもうひとつのお役である浅野は筋トレのことしか考えていないような所謂脳筋だったのですが、それが絶妙に憎めなさを演出していて好きでした。
アツタカとアツミで好きだったのはお互いがお互いを騙していることを知っていたところ。そうであってくれて良かったです。
企業スパイが浅野の端末からメールを送っていたという話で、そもそも他者が端末を操作できる杜撰なセキュリティが駄目なのでは……? と思ったりもしたのですが、全員倒産させるべく動いていたのだから仕方がないのかな……。
企業スパイを探すくだり、それぞれの思惑と行動に齟齬があるような気がして、全然整理できなかったのがラストに向けて登場人物の感情にチャンネルを合わせられなかった原因だと思うので、もう一度観られたら良かったのかもしれません。
ラストのアツタカとアツヒロの別れのシーンは大好きでした! ビニール傘のバスがようやく発車して、アツヒロの中で区切りがついたのが見て取れるシーンであると同時に、とても美しいシーンでもあって、そこまで一切感情が着いていけなかったのですが、まあこのシーンが良かったからいいか、と思えました。
女性陣のキャラ作りは、それぞれがそれぞれらしくこの物語の中で輝いていてとても好きでした。サクラ役の岡田歩佳さんは来月『24』でも拝見できるので、こちらもとても楽しみです。
今回台本を買い忘れてしまい細かいところを読み込めなかったので、次回拝見する機会があれば是非買いたいです……!
また、森田さんは来月も『恩讐の彼方に』で拝見できる予定があるので、とても楽しみです!