静心なくお金飛ぶらむ

オタクの現場備忘録。内容と語彙がない。

弥次さん喜多さん 2023.2.11-2023.2.12

2/11 『YAJIKITA2』昼公演・夜公演@ナゴヤ

2/12 『YAJIKITA』昼公演・夜公演@ナゴヤ

 

 

 土日も元気いっぱい、ナゴヤ座漬けになってきました!

 まずは土曜日の『YAJIKITA2』(以下「2」)から。

 

〇2/11

~配役~

・弥次さん:名古屋山三郎さん(以下「座長」)

・喜多さん:名古屋参九郎さん(以下「サンキューさん」)

閻魔王:名古屋虎之助さん(以下「トラスケさん」)

・牛頭:名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエさん」)

・馬頭:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)

・卯頭/懸衣翁:名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)

・奪衣婆/人頭幢/人呑鬼:名古屋参笑太さん(以下「ショータさん」)

 

 弥次喜多コンビは座長とサンキューさんのおふたり。ダエさんサンキューさんの弥次喜多コンビがここのところないため特にそう感じているのかもしれないのですが、最近サンキュー喜多さんが座長弥次さんを弄ることに余念がなくなってきていて大笑いポイントが増えている気がします。特に三途の川で奪衣婆さんの腰巻を嗅ぐところでは、サンキューさんの「It's a beautiful life!」や、「It's a strawverry night!」に対応して座長が「It's a wonderful day!」や「It's a Pineapple morning!」などと仰るのがとても面白かったです。座長弥次さんによるラジオ「パイナップルモーニング」、きっとくだらなくて面白いと思うので是非実現していただきたいなと思います。

 また、この日の弥次喜多コンビの見どころといえば、やはり足つぼ地獄での「足つぼオヒネリキャッチ」のコーナー! 初めは地獄のVO5(牛頭さんのオールバックを作るため毎日1本ずつ消費されているそう)の蓋だったのですが、すんなり成功してしまい面白くないから、とペットボトルのキャップに変更。3年前にいたという「サンザ亡者」がこの難易度で成功したことがあるから、と磁石がついていないかどうか、オヒネリとキャップを確かめる卯頭さんに、「片方に磁石が入ってなければもう片方に磁石が入っててもくっつかないんだよ!」と突っ込みを入れる座長弥次さんが地獄唯一の知識人で面白かったです。そして今回もまた、最後列のベンチ席から投げられたオヒネリを見事キャッチした座長弥次さんがとても格好良かったです! ところでS極とN極の概念がなかった頃の磁石への認識は一体どうなっていたのだろう、と思ったため、調べてみたいです。

 余談ですが、昼公演の一幕終わりに、捕縛網を掛けられたサンキュー喜多さんのちょんまげが綺麗に網目から飛び出しているのがじわじわと面白く、ついつい笑ってしまいました。

 

 牛頭馬頭コンビはまたもやダエさんとサンスケさんのおふたり。このおふたりの時は、二幕初めの閻魔様の歌謡ショーの「弥次さん喜多さん」という歌詞のところでダエ牛頭さんが「Y」のポーズ、サンスケ馬頭さんが「K」のポーズをしておられて、この三再版「YAJIKITA」シリーズの初週弥次喜多コンビならではだなと感じて嬉しくなります。弥次喜多コンビが後に牛頭馬頭コンビになったのかも? と思うと面白かったです。

 それから毎度のことではありますが、サンスケ馬頭さんが「友達想いの鬼でもない!」と飛び上がって金棒を振り下ろす動きがとても格好良くて、サンスケさんが馬頭さんの回は必ず注目してしまうお気に入りポイントです。

 サンエー卯頭さんはまたもや新しいキャラクターになっていて、今回は閻魔王が新たに購入した地獄備品の領収書を差し出すタイプ。あのサンエー卯頭さんはもしかすると経理担当なのかもしれないなと思いました。中古の足つぼ地獄が2億円の領収書だったため、獄卒たちが着服している可能性もあるのかしら……。

 足つぼ地獄から閻魔王を救い出すところでは、牛頭、馬頭、卯頭がそれぞれ「閻魔王を助ける」「弥次喜多を追いかける」「サイゼリア」の三案に分かれてじゃんけんをし、一人勝ちのサンエー卯頭さんの提案通りサイゼリアへ行くことにした獄卒のお三方が何を注文するか相談しておられたのですが、そこで「小指のサラダ」というワードを出すことができるサンエーさんのセンスに改めて脱帽しました。確かに小エビと小指は発音も見た目も似ている気がします。ダエ牛頭さんはドリンクバーでブラッドオレンジを飲むと仰っていて、普通なメニューもあるのだなと思いました。

 

 そして、この日の新役一人目であるトラスケ閻魔様。トラスケさんの閻魔様といえば、再演時は白塗りの麻呂閻魔様でしたが、今回がらりと雰囲気の変わった別の閻魔王になっていました。ビジュアルが途方もなく良く、クールかと思いきやお茶目な面もあり、トラスケさんの見本市のようでした。特に、堪忍袋の緒が切れて腹の中へ吸い込むところはそれまでの印象と打って変わって恐ろしい閻魔王で、緩急の付け方がとても好きでした。終演後サイン列でお話を伺ったところ、「笏に足跡がついていて」と仰っていて、なるほど! と唸ってしまいました。

 この閻魔王は、時々獄卒たちに気を遣われているものの、基本的にはとても優しそうな閻魔王という印象。人頭幢(以下「にんちゃん」)のことも「地獄の蝶々」(どう見ても狐)の手遊びで慰めていて、比較的穏やかな地獄(?)だなと思いました。

 

 もう一人の新役が、ショータさんの奪衣婆・人頭幢・人呑鬼でした! 奪衣婆さんは、他の奪衣婆さんよりパワーが弱く、喜多さんに襲い掛かってもすぐ弥次さんに引き剥がされてしまうのが面白かったです。また、懸衣翁のことを話す際は指をもじもじさせていて、可愛いお婆ちゃんという印象です。他の奪衣婆さんは縛りつけられても自力で解放されてしまいますが、ショータ奪衣婆さんはサンエー懸衣翁に助けられていたのも新鮮でした。

 にんちゃんはパンダのような目の周りの黒いメイクが絶妙に泣きそうな表情に見え、にんちゃんの方を見る度に笑ってしまいそうでした。他のにんちゃんは不貞腐れてしまうと「カッコイイ!」というオオムコウでご機嫌取りをしていましたが、ショータさんのにんちゃんは手遊びで慰められていたのもそんな選択肢があったのかと意外でした。

 人呑鬼はラスボスのショータさんが新鮮で、とても格好良かったです! ラスボスだから焦らずゆっくり動いたと教えていただいて、そういえば「HiGH&LOW」シリーズでも強い人は後ろからゆっくり歩いてきていたな、と思い出しました。「トラスケさんが稽古を見てくれて」と仰っていて、ご自身もほぼ同時に3役抱えている中だったろうに、流石だなあと思いました!

 

 土曜日の話だけで2500文字使ってしまいましたが、続いて日曜日の『YAJIKITA』(以下「1」)のお話です。

 

〇2/12

〜配役〜

・弥次さん:名古屋参永已さん(以下「サンエーさん」)

・喜多さん:名古屋山之助さん(以下「サンスケさん」)

護摩の灰(兄い)/「腹痛の宿」主人/雷蔵の子分/鎌倉権五郎:名古屋虎之助さん(以下「トラスケさん」)

護摩の灰(子分1)/医者/腹出し:名古屋参太郎さん(以下「タロウさん」)

護摩の灰(子分2)/近藤雷蔵/腹出し:名古屋参駄右衛門さん(以下「ダエさん」)

・「暗闘の宿」主人/産婆/豪傑の子分:名古屋山三郎さん(以下「座長」)

・坊主/小山田豪傑/腹出し:名古屋参笑太さん (以下「ショータさん」)

 

 この日は御髪がさっぱりしたばかりのサンエーさん、サンスケさんの弥次喜多コンビ。サンスケ喜多さんも、今まで前髪をすべてちょんまげにしてらしたのが、頭頂部のみを結うスタイルに変更されていました。前髪があるからなのか、今までより少し幼い雰囲気に見えて新鮮な味わいの「1」になりました。

 この日、一番の衝撃が何と言っても「夢の宿」での鎌倉権五郎への必殺技です。これまでは弥次さんによる「弥次神拳 弥次百裂拳」でしたが、この日はなんと喜多さんによる「流星拳」になっていました! こちらも私は元ネタを存じ上げなかったのですが、喜多さんの寝言から推察するに聖闘士星矢なのだと思います。サンスケさんによる歌もついていてお得感があったため、他の喜多さんでもいろいろ拝見してみたいなと思いました。

 また、何度拝見しても感じるため何度でも書くことになるのですが、サンエー弥次さんの持つ少し悪そうな雰囲気がぴりっとスパイスのように効いていて、「元は駿府の若旦那」という紹介文が脳内を駆け巡ります。サンエー弥次さんならではの味で、どのお話も良いなと思うのですが、特に最初の「暗闘の宿」は一段とそのスパイスが効いていて毎度格好良いな、と思います!

 

 「暗闘の宿」では、久しぶりにタロウさんの護摩の灰(ミナミの方)が拝見できました! タロウ護摩の灰さん、トラスケ護摩の灰さんに待っていろと言われて大人しく座り込む様子がとても素直で、どうして護摩の灰になったのだろう? と思いました。また、トラスケ護摩の灰さんはいつも合言葉を「キタと、ミナミと、かっちゃん♡だ」と仰るのですが、それに合わせて皆さんも必ず「かっちゃん♡」と呼ぶのがじわじわとツボに入っています。特にダエさんが仰ると謎の破壊力があって面白いなと感じます。

 それから、宿屋の主人が持ってくる100tハンマーの登場シーンが十人十色で、座長の主人は普通に持ち上げておられるので、きっとあの宿屋の主人は弥次喜多コンビや護摩の灰よりも強いと思います。

 

 「腹痛の宿」は、今月ずっとトラスケさんの宿屋の主人が面白すぎてずっとツボなのですが、毎回マイナーチェンジを挟んでくるため、なかなか耐性がつきません。今回はハムスターのおもちゃのような動きが加わり、KOでした。

 また、新役のショータ坊主さんは、弥次さんがオルゴールに合わせて回転している間、どこからか(鼻)手に入れた毛を頭に植毛してらっしゃって、さすがにそれは無理があるのでは……!? と思いました。お焼香の煙も仰いでらっしゃって面白かったです。読経に対する解像度が高い坊主さんでした。

 

 「川越人足銭渡り」で面白かったのは、座長とトラスケさんの子分同士の交流です。先日同じ配役で観劇した際はトラスケさんに座長がちょっと引いていたり、座長が威嚇していたりだったのですが、今回は子分同士がとても大人な対応でした。特に座長子分さんは、豪傑さんに対しかなりドライで、熱血青春系ショータ豪傑さんが明日に向かって走り出そうとしている時も、全然乗り気でなくて面白かったです。また、寒がりだったトラスケ子分さんが外気温に耐えられる子分さんになっていて、春を感じました(?)

 

 「夢の宿」では一番の衝撃は前述の通り喜多さんの必殺技だったのですが、それ以外にも見どころがたくさんありました! 新鮮だったのはショータさんの腹出しの台詞です。久しぶりに拝見したからそう思うのか、それとも配役が変わって初めて拝見するポジションだったからそう思うのか、それともやり方を変えられたのか、真偽は定かではないのですが、歌のように聞こえて興味深かったです。

 サンエー弥次さんが腹出しの衣装を脱いでいる間、トラスケ権五郎さんが「何の時間?」と仰るところ、特撮の変身バンクに対する冷静な突っ込みっぽさがあって毎回笑ってしまいます。最近はサンスケ喜多さんが一緒に手で制止しているのがトッキュウジャーの変身時の「白線の内側にお下がりください」に見えています。

 

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 2月も立て続けに新役が出ている「YAJIKITA」シリーズ、まだまだ目が離せません! 水曜日も楽しみです!